(2025年5月公表分)(特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問60
相続・事業承継
事業承継対策等に関する次の記述
非上場企業の事業承継対策等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1株式の発行会社が、経営者以外の少数株主が保有する自社株式を買い取ることにより、当該会社の株式の分散を防止または抑制することができる。
- 2経営者への役員退職金の原資を準備する方法として、契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人を法人、被保険者を経営者とする終身保険などの生命保険に加入することが考えられる。
- 3「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受けるためには、特例承継計画を策定して、所定の期限までに都道府県知事に提出し、その確認を受ける必要がある。
- 4「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受ける場合、当該非上場株式等の贈与について相続時精算課税制度を選択することはできない。
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✓ これが正解4「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受ける場合、当該非上場株式等の贈与について相続時精算課税制度を選択することはできない。
解説
納税猶予の特例でも相続時精算課税は選択できます。
非上場企業の事業承継対策と、法人版事業承継税制(非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例)の要件を確かめる問題です。
この特例措置の適用を受ける贈与についても、相続時精算課税を選ぶことができます。特例措置では、60歳以上の贈与者から18歳以上の者への贈与であれば、後継者が推定相続人や孫でなくても相続時精算課税を選択できます。選択できないとする記述は不適切で、これが正解です。
発行会社が少数株主から自社株式を買い取れば、株式の分散を防いだり抑えたりできます。契約者と死亡保険金受取人を法人、被保険者を経営者とする終身保険などは、役員退職金の原資の準備に使われます。特例措置の適用には、特例承継計画を策定して期限までに都道府県知事に提出し、確認を受ける必要があります。これらの記述は適切です。
事業承継税制の特例と相続時精算課税は組み合わせて使える、と覚えておきましょう。出題当時(2024年4月1日現在の法令等)は、特例承継計画の提出期限は2026年3月31日まででした。現在は令和8年度税制改正により提出期限が1年6か月延長され、2027年9月30日までとなっています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1株式の発行会社が、経営者以外の少数株主が…:会社がほかの株主から自社の株式を買い取ると、経営者以外に散らばった株式を会社に集められます。後継者に議決権を集めやすくなるので、分散の防止・抑制策として記述は適切です。
- 2経営者への役員退職金の原資を準備する方法…:契約者と死亡保険金受取人を法人、被保険者を経営者とする生命保険に入れば、経営者が亡くなったときに法人が保険金を受け取り、退職金の支払に充てられます。原資の準備方法として記述は適切です。
- 3「非上場株式等についての贈与税の納税猶予…:特例措置を使うには、後継者などを記した特例承継計画を作り、期限までに都道府県知事へ提出して確認を受ける必要があります。記述はこの手続どおりで適切です。
出典:2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 学科試験(2025年5月公表分)(特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問60(改変:肢の番号をそろえ、表・図を文字に書き写して加工)。解説は当サイト独自のもので、日本FP協会・金融財政事情研究会とは関係ありません。
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