第110回 午後 問38
個人・家族・集団・組織の支援
次の文を読み36~38の問いに答えよ。
Aさん(48歳、女性)の特定健康診査の結果は、身長160.5 cm、体重76.8 kg、BMI 30、腹囲93 cm、血圧135/85 mmHg、空腹時血糖95 mg/dL、HDLコレステロール38 mg/dL、中性脂肪200 mg/dLであり、喫煙歴はない。保健師は特定健康診査の結果に基づき「生活習慣について一緒に見直しましょう」と電話連絡をした。当初、Aさんは「今のところ生活習慣を変えるつもりはない」と言っていたが、保健師の働きかけで初回面接を受けることになった。
保健師は変化ステージ理論を用いて初回面接を実施した。
3か月後のAさんとの評価面接において、体重74 kg、腹囲90 cmに減少していた。Aさんは「初回面接から間食はしないようにしているし、ご飯は小さなお茶碗に変えて1杯だけに減らしている。しかし、7,000歩を毎日歩くことはできず体重は目標達成に至っていない」と話した。
面接後、Aさんは「これからも続けられるか不安だ」と話した。そこでAさんのこれまでの努力を承認し、継続の重要性を伝え「継続できたら1か月ごとに自分にご褒美をあげるのはどうですか」と提案した。
このときのAさんに対する保健師の働きかけはどれか。
- 1意識の高揚
- 2環境の再評価
- 3強化マネジメント
- 4刺激コントロール
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✓ これが正解3強化マネジメント
解説
継続できたらご褒美をあげる提案は強化マネジメントです。
変化ステージ理論では、ステージを進めるための働きかけを変容のプロセスとして整理しています。実行期や維持期の人には、新しい行動を続けやすくする行動面のプロセスが特に役立ちます。
面接後、Aさんはこれからも続けられるか不安だと話しました。保健師はこれまでの努力を承認し、継続の重要性を伝えたうえで、継続できたら1か月ごとに自分にご褒美をあげることを提案しています。決め手は、望ましい行動が続いたときに褒美という報酬を結び付け、行動を続ける意欲を高めようとしている点です。これは強化マネジメントにあたり、褒めることや自分へのご褒美で行動を強めていく方法です。意識の高揚は情報を得て問題に気付くこと、環境の再評価は自分の行動が周りの人に与える影響を考えること、刺激コントロールは行動のきっかけとなる刺激を遠ざけたり置き換えたりすることで、いずれも提案の中身とは違います。したがって、強化マネジメントが正解です。
変容のプロセスは、気付く・考える働きかけと、行動を続けさせる働きかけに分けると、ステージとの組み合わせを判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1意識の高揚:意識の高揚は、新しい情報や知識を得ることで、自分の生活習慣の問題に気付いてもらう働きかけです。行動を変える前の段階で用いられることが多く、続いた行動に褒美を結び付ける提案とは異なります。
- 2環境の再評価:環境の再評価は、自分の生活習慣が家族や周囲の人にどのような影響を与えているかを考えてもらう働きかけです。行動の結果に報酬を与えて継続を後押しするご褒美の提案とは中身が違います。
- 4刺激コントロール:刺激コントロールは、間食のお菓子を目につく場所に置かないなど、行動のきっかけとなる刺激を遠ざけたり置き換えたりする方法です。継続したことへの褒美を用意する提案は、これには当たりません。
出典:第110回 保健師国家試験 午後(厚生労働省)問38(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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