第111回 午前 問25
公衆衛生看護活動展開論
エイズ対策に関する問題
A県ではヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症の届出数が減少し、後天性免疫不全症候群〈AIDS〉の届出数が増加している。この2つの届出に関するA県の国籍、年齢の分布、感染経路は全国の傾向と同様である。A県のエイズ対策担当者が取り組む対策で優先度が高いのはどれか。
- 1休日の検査体制の充実
- 2母子感染予防対策の強化
- 3エイズ治療拠点病院の指定数の増加
- 4エイズ患者の地域ケアシステムの構築
- 5外国人向けの予防啓発パンフレットの配布
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✓ これが正解1休日の検査体制の充実
解説
発症してから見つかる人が増えており、検査を受けやすくすることが優先です。
HIVに感染しても、多くの場合は長い無症状の期間を経てからエイズ(AIDS)を発症します。HIV感染症の届出は、発症する前に感染が分かった人の届出で、AIDSの届出は、発症して初めて感染が分かった人の届出です。
A県ではHIV感染症の届出が減り、AIDSの届出が増えています。これは、感染に気づかないまま過ごし、発症してから見つかる人が増えていることを示し、検査を受ける機会が十分に生かされていない状態と考えられます。早く感染を知れば治療で発症を防ぐことができ、ほかの人への感染も防げるため、検査を受けやすくする対策が最も重要です。働く人などが受けやすい休日の検査体制の充実は、その代表的な取り組みです。したがって、休日の検査体制の充実が優先度の高い対策です。
届出の内訳が全国の傾向と同様という条件は、日本国籍の男性が多くを占め、性的接触が主な感染経路であるという傾向がA県にも当てはまることを意味します。届出の種類の変化から課題を読み取り、それに合う対策を選びましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2母子感染予防対策の強化:全国の傾向では、感染経路の多くは性的接触で、母子感染はごく一部です。A県も全国と同様なので、母子感染予防の強化は、発症してから見つかる人が増えている課題に直接応える対策ではありません。
- 3エイズ治療拠点病院の指定数の増加:エイズ治療拠点病院を増やすことは治療体制の整備ですが、課題は感染に気づかず発症してから見つかる人が増えていることです。治療の場を増やしても、発症前の発見にはつながりません。
- 4エイズ患者の地域ケアシステムの構築:エイズ患者の地域ケアシステムの構築は、療養生活を支えるうえで意義があります。しかし、発症前に感染を見つけるという今回の課題の解決には直接結び付かず、優先度は低くなります。
- 5外国人向けの予防啓発パンフレットの配布:全国の傾向では、届出の多くは日本国籍の人で、A県も同様です。外国人向けのパンフレット配布は対象が届出の中心と合わず、発症前の感染の発見を増やす効果も限られます。
出典:第111回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問25(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
同じ用語が出る問題
- 第112回 午前 問2(ウイルス)
- 第112回 午後 問28:後天性免疫不全症候群に関する問題(ウイルス)
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