令和6年度 問50
マンション管理適正化法
マンション管理業者に関する問題
マンション管理業者Aが、管理組合Bから委託を受けて管理事務を行う場合において、次の記述のうち、マンション管理適正化法(以下本問において「法」という。)に違反するものはどれか。
- 1Aは、基幹事務のうち、Bの会計の収入及び支出の調定に関する業務のみを第三者に再委託した。
- 2Aは、Bと管理受託契約を締結した時、法第73条に規定する契約の成立時の書面を作成し、管理業務主任者をして当該書面に記名させ、管理業務主任者でない者からBの管理者に対して交付させた。
- 3Aは、Bから委託を受けた管理事務について、法第75条に規定する帳簿を作成し事務所に備え置いていたが、Aの事業年度の末日をもって当該帳簿を閉鎖し、閉鎖後3年が経過した後、当該帳簿を処分した。
- 4Aは、Bとの管理受託契約の期間中に、マンション管理業を廃止し、マンション管理業者の登録の効力を失ったが、その後も、Bからの委託に係る管理事務を結了する目的の範囲内で業務を行った。
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✓ これが正解3Aは、Bから委託を受けた管理事務について、法第75条に規定する帳簿を作成し事務所に備え置いていたが、Aの事業年度の末日をもって当該帳簿を閉鎖し、閉鎖後3年が経過した後、当該帳簿を処分した。
解説
帳簿は閉鎖後5年間保存が必要で、3年で処分すると違反です。
本問は、マンション管理適正化法の再委託の制限(第74条)、契約の成立時の書面(第73条)、帳簿の作成等(第75条)と同法施行規則、登録が効力を失った後の扱いで判断します。
第75条は、マンション管理業者に、管理受託契約ごとに管理事務について帳簿を作成し保存することを求めています。施行規則第86条第3項は、この帳簿を各事業年度の末日をもって閉鎖し、閉鎖後5年間保存しなければならないと定めています。閉鎖後3年が経過した後に処分した行為は、保存期間を満たしていないので法に違反します。
他の行為を見ます。第74条が禁じているのは、基幹事務を一括して他人に委託することです。基幹事務のうち会計の収入及び支出の調定に関する業務だけを再委託するのは一括ではないので、違反しません。契約の成立時の書面は、管理業務主任者に記名させる必要がありますが、交付する者についての制限はないので、管理業務主任者でない者が管理者に交付しても違反ではありません。マンション管理業を廃止して登録が効力を失っても、管理事務を結了する目的の範囲内では、なおマンション管理業者とみなされるので、その範囲で業務を続けた行為も違反しません。
帳簿は閉鎖後5年、書面は主任者の記名が必要だが交付は誰でもよい、再委託の禁止は基幹事務の一括、と要件の範囲を押さえると見分けられます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1Aは、基幹事務のうち、Bの会計の収入及び…:再委託で禁じられているのは、基幹事務をまとめて丸ごと他人に任せることです。会計の収支の調定という一部だけを第三者に任せるのは一括の再委託に当たらず、違反にはなりません。
- 2Aは、Bと管理受託契約を締結した時、法第…:契約成立時の書面で管理業務主任者に求められるのは、書面に記名することです。書面を管理者に手渡す役目は主任者に限られていないので、主任者以外の従業者が交付しても法律には反しません。
- 4Aは、Bとの管理受託契約の期間中に、マン…:廃業などで登録が効力を失っても、すでに受けていた管理事務を終わらせるための範囲では、マンション管理業者とみなされます。結了を目的とした範囲の業務なので、違反には当たりません。
出典:令和6年度 管理業務主任者試験(一般社団法人マンション管理業協会)問50
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