平成29年度 春期 午前Ⅱ 問21
法務
準委任型が適切であるとされるもの
ベンダX社に対して,図に示すように要件定義フェーズから運用テストフェーズまでを委託したい。X社との契約に当たって,“情報システム・モデル取引・契約書”に照らし,各フェーズの契約形態を整理した。a~dの契約形態のうち,準委任型が適切であるとされるものはどれか。
図(表形式の図):
| 要件定義 | システム外部設計 | システム内部設計 | ソフトウェア設計,プログラミング,ソフトウェアテスト | システム結合 | システムテスト | 運用テスト |
|---|---|---|---|---|---|---|
| a | 準委任型又は請負型 | b | 請負型 | c | 準委任型又は請負型 | d |
- アa,b
- イa,d
- ウb,c
- エb,d
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✓ これが正解イa,d
解説
要件定義と運用テストは、成果の確定が難しく準委任型が適するとされます。
情報システム・モデル取引・契約書は、フェーズごとに作業の性質に合う契約形態を示しています。見分ける軸は、作業開始の時点で完成すべき成果物を具体的に決められるかどうかです。請負型は仕事の完成を約束する契約なので、成果物の内容が確定している内部設計からシステム結合までのフェーズに向きます。要件定義はユーザの業務要件を明らかにしていく作業で、ユーザが主体となり、ベンダは支援する立場です。運用テストもユーザが実運用に近い環境で確かめる作業です。どちらも成果物を事前に確定しにくいため準委任型が適切とされ、aとdが該当します。外部設計とシステムテストは、図のとおりどちらの形態もあり得る位置です。ユーザが主体の両端は準委任、ベンダが主体の中央は請負と覚えると整理できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アa,b:bはシステム内部設計で、外部設計で決まった内容をもとにベンダが主体となって進めるので、成果物を事前に確定できます。モデル契約では請負型が適するとされ、準委任型の組には入りません。
- ウb,c:bのシステム内部設計とcのシステム結合は、どちらもベンダが主体となり、完成すべき成果物を特定しやすいフェーズです。モデル契約ではいずれも請負型が適切とされています。
- エb,d:dの運用テストは準委任型ですが、組み合わされたbのシステム内部設計は請負型が適するとされるフェーズです。片方だけが準委任型なので、組として適切ではありません。
この問題の用語
- 請負仕事の完成を約束して引き受ける形のこと。委託先の事業所で働いても指揮命令するのは雇用主で、委託側との指揮命令関係は生じません。
- 要件定義作るシステムに何を求めるかを決める工程。業務の進め方だけでなく、稼働率や復旧までの時間といった条件も書き出します。
- 運用テスト本番と同じ環境で、実際の業務のとおりに動くかを利用者と運用者が確かめるテストです。開発の最後に、本番稼働の前に行います。
- 契約当事者の合意で成立する法的な約束のこと。原則として口頭でも成立し、契約書は内容を確かめる証拠になります。
- 情報システム業務に必要なデータを集め、処理し、伝えるための仕組み全体です。コンピュータや通信網だけでなく、それを使う人や業務の手順も含みます。
- ログいつ誰が何をしたかを、機器やソフトウェアが自動で残していく記録です。あとから出来事をたどれるので、事故の調査や不正の発見に使われます。
- システムテスト作り上げたシステム全体が、求めたとおり動くかを確かめる試験です。機能のほか、性能や操作性、異常時の動きなども確かめます。
出典:平成29年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問21
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問24:内部統制に関する問題(情報システム)
- 令和5年度 秋期 午前Ⅱ 問20:要件が検証可能である例(要件定義)
- 平成31年度 春期 午前Ⅱ 問18:著作権の帰属先(請負)
- 平成30年度 春期 午前Ⅱ 問7:作業配分モデルに関する問題(システムテスト)
- 平成24年度 春期 午前Ⅱ 問16(運用テスト)
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