平成31年度 春期 午前Ⅱ 問18
法務
著作権の帰属先
企業間で,商用目的で締結されたソフトウェアの開発請負契約書に著作権の帰属に関する内容が記載されていない場合の著作権の帰属先として,適切なものはどれか。ここで,ソフトウェアは請負人が開発するものとする。
- ア請負人,注文者のどちらにも帰属しない。
- イ請負人と注文者が共有する。
- ウ請負人に帰属する。
- エ注文者に帰属する。
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✓ これが正解ウ請負人に帰属する。
解説
契約に定めがなければ、著作権は開発した請負人に帰属します。
著作権は、著作物を創作した者に、登録などの手続なしで発生します。見分ける軸は、誰が創作したかと、契約で権利を移す定めがあるかです。請負契約では、ソフトウェアを実際に作るのは請負人であり、請負人の従業員が職務として作ったものは、一定の要件の下で請負人である企業が著作者となります。注文者が代金を支払っても、それだけで著作権が移るわけではなく、移すには契約で譲渡を定める必要があります。この問では契約書に帰属の定めがないので、著作権は請負人に残ります。お金を払った側ではなく作った側に権利が生まれ、移すには契約が必要だと覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア請負人,注文者のどちらにも帰属しない。:著作権は創作と同時に創作した者に発生するので、誰にも帰属しないということはありません。契約に定めがない場合でも、権利は開発を行った側に生じています。
- イ請負人と注文者が共有する。:共有になるのは、複数の者が共同で創作した場合や、契約で共有と定めた場合などです。注文者は開発を依頼しただけで創作に加わっていないので、定めがないまま共有にはなりません。
- エ注文者に帰属する。:注文者に著作権を帰属させるには、契約で著作権の譲渡を定めておく必要があります。代金を支払ったことだけでは権利は移らないので、定めがない状態では注文者のものになりません。
この問題の用語
- 著作権文章や絵、プログラムなどを作った人に自動で生まれる権利。届け出をしなくても、作った時点で発生します。
- 請負仕事の完成を約束して引き受ける形のこと。委託先の事業所で働いても指揮命令するのは雇用主で、委託側との指揮命令関係は生じません。
- 請負契約仕事の完成を約束して引き受ける契約のこと。作業の遂行だけを約束する準委任契約と違い、成果物を完成させる義務を負います。
出典:平成31年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問18
同じ用語が出る問題
- 令和5年度 秋期 午前Ⅱ 問24:デジタルフォレンジックスの問題(著作権)
- 令和5年度 秋期 午前Ⅱ 問17:著作権に関する問題(著作権)
- 平成30年度 春期 午前Ⅱ 問21:請負契約に関する問題(請負契約)
- 平成29年度 春期 午前Ⅱ 問21:準委任型が適切であるとされるもの(請負)
- 平成22年度 春期 午前Ⅱ 問23:請負契約に関する問題(請負)
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