第26回 問題27
精神保健福祉の原理
次の記述のうち,精神保健福祉士が行う権利擁護の調整機能に当たるものとして,適切なものを1つ選びなさい。
- 1生活に困窮して相談支援事業所を訪れた人に,生活困窮者自立支援事業の情報を提供する。
- 2投票に行けない人々が見過ごされていることに対して問題を提起し,選挙権を行使できるよう活動する。
- 3市が主催するイベントや地域のお祭りの機会を通じて,広く市民に対して障害への理解促進を働きかける。
- 4勤務日の変更を提示され通院できなくなるため退職を考えているクライエントに,合理的配慮があることを説明する。
- 5購入したばかりの高額商品のトラブルで困っている通院患者から依頼を受けて,消費生活センターにつなぐ。
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✓ これが正解5購入したばかりの高額商品のトラブルで困っている通院患者から依頼を受けて,消費生活センターにつなぐ。
解説
依頼を受けて消費生活センターにつなぐ対応が、調整機能に当たります。
精神保健福祉士が行う権利擁護には、権利が侵されている状況に気付くこと、本人の思いを代弁すること、本人の力を高めること、社会に働きかけることなど、いくつかの働きがあります。そのうち調整の働きは、クライエントの依頼や同意のもとで、問題の解決に必要な機関やサービスと本人とを結び付け、関係者との間を取り持つことです。各記述が、本人と外部の機関の間をつなぐ動きになっているかで判断します。
購入したばかりの高額商品のトラブルで困っている通院患者から依頼を受け、消費生活センターにつなぐ対応は、消費者としての本人の権利を守るために、専門の相談機関と本人の間を結び付けるものです。クライエントの依頼を受けて、必要な社会資源との間を調整している点で、調整機能に当たります。
他の記述は、本人への情報提供や説明、社会の仕組みに対して問題を提起し変えようとする活動、広く市民に理解を求める啓発の活動であり、本人と特定の機関の間を取り持つ調整とは働きの性格が異なります。
見分け方として、権利擁護の機能を問う問では、誰に向けた働きかけか(本人・特定の機関・社会全体)を先に見極めると、調整・代弁・啓発・社会への働きかけを区別しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1生活に困窮して相談支援事業所を訪れた人に,生活困窮者自立支援事業の情報を提供する。:生活困窮者自立支援事業の情報を伝えるのは、相談に来た本人に必要な情報を提供する働きかけです。本人と他の機関の間に入って取り持つ動きまでは含まれておらず、調整の働きとしては足りません。
- 2投票に行けない人々が見過ごされていることに対して問題を提起し,選挙権を行使できるよう活動する。:投票に行けない人々が見過ごされている問題を提起し、選挙権を行使できるよう活動するのは、社会の仕組みに働きかけて変えようとするソーシャルアクションの性格をもつ活動です。
- 3市が主催するイベントや地域のお祭りの機会を通じて,広く市民に対して障害への理解促進を働きかける。:地域のイベントを通じて広く市民に障害への理解を働きかけるのは、社会全体に向けた啓発の活動です。特定のクライエントのために機関との間を取り持つ調整の働きとは、対象が異なります。
- 4勤務日の変更を提示され通院できなくなるため退職を考えているクライエントに,合理的配慮があることを説明する。:退職を考えているクライエントに合理的配慮という仕組みがあることを説明するのは、本人に権利を知らせて力を高める働きかけです。職場など他者との間を取り持つ動きはまだ含まれていません。
出典:第26回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題27。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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