第28回 問題38
精神障害リハビリテーション論
次の記述のうち,IPS(Individual Placement and Support)モデルの特徴として,正しいものを1つ選びなさい。
- 1福祉的就労から始め,一般就労へのステップアップを目指す。
- 2援助対象者の決定は,職業能力評価の結果に基づく。
- 3支援は,一般就労した時点で終了となる。
- 4就労先は,対象者の障害特性や職業能力に合わせて選定する。
- 5就労支援と共に経済的側面に関する相談支援も行う。
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✓ これが正解5就労支援と共に経済的側面に関する相談支援も行う。
解説
IPSでは就労支援とともに経済的な面の相談支援も行います。
IPS(Individual Placement and Support)モデルの特徴を問う問題です。IPSは、重い精神障害のある人の一般就労を支える、科学的な根拠に基づく援助付き雇用の方法で、いくつかの原則によって説明されます。
主な原則として、一般企業での就労を目標とすること、働きたいと希望する人は誰でも対象とすること、就労の準備訓練を長く続けるのではなく早い段階から仕事探しを始めること、本人の希望や好みを重視して仕事を探すこと、就職した後も期限を設けずに支援を続けること、就労支援の担当者と医療などの担当者が一つのチームとして連携すること、などが挙げられます。
そのうえで、働くことで収入が増えたときに障害年金や生活保護などの給付がどう変わるかについて、個別に相談に応じることも原則の一つとされています。給付への影響の不安は働くことをためらう理由になりやすく、経済的な面の相談は就労を支えるうえで欠かせません。
ほかの肢は、段階を踏んで一般就労に進む、能力評価で対象を選ぶ、就職したら支援を終える、障害特性や能力で就労先を選ぶといった、従来型の職業リハビリテーションの考え方で、IPSの原則と反対です。
したがって正しいのは、就労支援と共に経済的側面に関する相談支援も行うという記述です。IPSは本人の希望を軸に、すぐ探し、ずっと支える方法、と押さえておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1福祉的就労から始め,一般就労へのステップアップを目指す。:福祉的就労から始めて段階的に一般就労を目指すのは、訓練を積んでから就職する従来型の考え方です。IPSは一般就労を目標とし、早い段階から実際の仕事探しを始めます。
- 2援助対象者の決定は,職業能力評価の結果に基づく。:IPSでは、職業能力の評価の結果で支援の対象を選びません。働きたいと希望する人は誰でも対象とすることが原則の一つで、除外をしないことが特徴です。
- 3支援は,一般就労した時点で終了となる。:IPSでは、就職した時点で支援を終えず、仕事を続けられるよう期限を設けずに支援を続けます。就職後の定着の支援も大切な原則の一つです。
- 4就労先は,対象者の障害特性や職業能力に合わせて選定する。:就労先を障害特性や職業能力に合わせて支援者が選ぶのは、IPSの考え方ではありません。IPSでは、本人の希望や好みを重視して仕事を探すことが原則とされています。
出典:第28回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題38。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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