第38回 問題14
社会学と社会システム
現在の日本のNPO法人(特定非営利活動法人)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1特例認定NPO法人は,パブリック・サポート・テストを受けなければならない。
- 2収益事業の実施は認められていない。
- 31980年代の難民救援活動を契機として急増した。
- 4認定NPO法人は,クラウドファンディングを用いて資金調達を行うことはできない。
- 53年以上,事業報告書等を提出しなかった場合,所轄庁は認証を取り消すことができる。
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✓ これが正解53年以上,事業報告書等を提出しなかった場合,所轄庁は認証を取り消すことができる。
解説
3年以上事業報告書等を出さないと、所轄庁は設立の認証を取り消せます。
NPO法人(特定非営利活動法人)は、特定非営利活動促進法にもとづき、所轄庁(原則として主たる事務所がある都道府県の知事、一つの指定都市の区域内だけに事務所を置く場合はその指定都市の長)の認証を受けて設立される法人です。法人は毎事業年度、事業報告書などの書類を所轄庁に提出し、所轄庁はそれを閲覧に供します。
同法第43条第1項は、所轄庁は、法人が改善命令に違反して他の方法では監督の目的を達成できないとき、または3年以上にわたって事業報告書等の提出を行わないときは、その法人の設立の認証を取り消すことができると定めています。したがって、3年以上事業報告書等を提出しなかった場合に所轄庁が認証を取り消すことができる、という記述が最も適切です。
ほかの記述は、特例認定の要件、法人が行える事業の範囲、制度ができた経緯、認定法人の資金調達の方法のいずれかを取り違えています。
認証の取消しは所轄庁の監督の権限であり、3年以上の書類の未提出がその要件の一つになっている、と結びつけて覚えましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1特例認定NPO法人は,パブリック・サポート・テストを受けなければならない。:特例認定は、設立後間もない法人を対象に、広く市民から寄付を受けているかを測るパブリック・サポート・テストを求めずに認める仕組みです。この基準を満たす必要があるのは通常の認定を受ける場合です。
- 2収益事業の実施は認められていない。:NPO法人は、特定非営利活動に支障がない範囲で、その他の事業として収益を目的とする事業を行うことができます。ただし、そこで得た利益は特定非営利活動のために使わなければならないとされています。
- 31980年代の難民救援活動を契機として急増した。:NPO法人の制度は、1995年の阪神・淡路大震災で市民のボランティア活動が注目されたことを契機に、1998年に特定非営利活動促進法が制定されて生まれました。1980年代の難民救援活動が契機ではありません。
- 4認定NPO法人は,クラウドファンディングを用いて資金調達を行うことはできない。:認定NPO法人が、インターネットを通じて多くの人から寄付を集めるクラウドファンディングを使うことを禁じる規定はありません。認定を受けると寄付者に税制上の優遇があり、寄付による資金調達はむしろ後押しされます。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題14。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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