第37回 問題25
社会福祉の原理と政策
福祉の措置に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1福祉サービスにかかる費用は全額国の負担となる。
- 2被措置者とサービス提供事業者との間で,サービス提供に関する契約を結ばなければならない。
- 3行政処分として福祉サービスの提供が決定される。
- 4介護保険法の施行により,老人福祉法による措置入所は廃止された。
- 5「障害者総合支援法」の施行に伴い,身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法にかかる施設入所の措置を都道府県が採ることとなった。(注) 「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
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✓ これが正解3行政処分として福祉サービスの提供が決定される。
解説
措置制度では、行政処分として福祉サービスの提供が決定されます。
措置制度とは、福祉サービスを必要とする人について、行政機関(措置権者)が、法律に基づく権限によってサービスの提供の要否や内容を決める仕組みです。この問は、措置制度と、契約に基づく利用制度の違いで判断します。
措置は、行政が一方的に決定する行政処分の性質をもちます。利用者がサービスを選んで事業者と契約するのではなく、措置権者がサービスの提供を決定し、施設などに委託してサービスを提供します。したがって、行政処分として福祉サービスの提供が決定されるとする記述が最も適切です。
ほかの記述を確認します。措置の費用は国と地方公共団体が負担し、本人や扶養義務者から負担能力に応じて費用を徴収する仕組みで、全額が国の負担となるわけではありません。被措置者と事業者が契約を結ぶのは契約制度の特徴です。介護保険法の施行後も、老人福祉法による養護老人ホームへの入所措置などは残っています。身体障害者福祉法と知的障害者福祉法による施設入所の措置は、市町村が採ることとされています。
措置は行政が決める行政処分、契約は利用者が事業者と結ぶもの、と対にして覚えておくと見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1福祉サービスにかかる費用は全額国の負担と…:措置の費用は、国と自治体の公費に加え、本人や扶養義務者からも支払能力に応じて徴収されます。国がすべてを賄うわけではないので誤りです。
- 2被措置者とサービス提供事業者との間で,サ…:サービス提供について当事者同士が契約を交わすのは、介護保険のような利用契約方式の場合です。措置では行政がサービスを決めて施設などに委託するので、契約は前提になりません。
- 4介護保険法の施行により,老人福祉法による…:介護保険の導入後も、老人福祉法に基づく措置はなくなっていません。環境上・経済上の理由で自宅での生活が難しい人の養護老人ホームへの入所や、やむを得ない事由がある場合の特別養護老人ホームへの入所などは措置で行われます。
- 5「障害者総合支援法」の施行に伴い,身体障…:身体障害者・知的障害者の施設への入所措置を行うのは、住民に最も身近な自治体である市町村です。障害者総合支援法の施行で都道府県に移ったという事実はありません。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題25。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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