令和元年度 秋期 午前Ⅱ 問5
システム企画
実費償還型契約に関する問題
システム開発における発注者と受注者であるベンダとの契約方法のうち,実費償還型契約はどれか。
- ア委託業務の進行中に発生するリスクはベンダが負い,発注者は注文時に合意した価格を支払う。
- イインフレ率や特定の製品の調達コストの変化に応じて,あらかじめ取り決められた契約金額を調整する。
- ウ契約時に,目標とするコスト,利益,利益配分率,上限額を合意し,目標とするコストと実際に発生したコストの差異に基づいて利益を配分する。
- エベンダの役務や技術に対する報酬に加え,委託業務の遂行に要した費用の全てをベンダに支払う。
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✓ これが正解エベンダの役務や技術に対する報酬に加え,委託業務の遂行に要した費用の全てをベンダに支払う。
解説
実費償還型契約は、かかった費用の全てに報酬を加えて支払う契約です。
実費償還型契約は、ベンダが委託業務の遂行に実際に要した費用を発注者が支払い、それに役務や技術への報酬を上乗せする契約です。見分ける軸は、コストが予定を超えたときのリスクを誰が負うかです。この契約ではかかった費用がそのまま支払われるので、コスト超過のリスクは主に発注者が負います。作業の範囲が固まっていない開発など、最初に総額を見積もりにくい場面に向いています。費用の全てに報酬を加えて支払うという説明は、この仕組みそのものです。契約の型は、価格が最初に固定されるか、実際の費用に応じて決まるかで大きく二つに分け、その間に利益配分を組み込んだ型があると整理しておくと区別しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア委託業務の進行中に発生するリスクはベンダ…:業務の進行中のリスクをベンダが負い、注文時に合意した価格を支払う形は、定額契約の説明です。費用が予定を超えてもベンダが吸収するため、実際の費用を発注者が負担する実費償還型とはリスクの持ち方が逆になります。
- イインフレ率や特定の製品の調達コストの変化…:インフレ率や調達コストの変化に応じて、あらかじめ取り決めた金額を調整する形は、定額契約に価格調整の条項を付けたものです。基本は合意した金額を支払う契約であり、要した費用の全てを支払う実費償還型ではありません。
- ウ契約時に,目標とするコスト,利益,利益配…:目標コスト・利益・配分率・上限額を合意し、目標と実績の差に応じて利益を配分する形は、インセンティブを組み込んだ契約です。上限額が決まっているため、かかった費用をすべて支払う実費償還型とは異なります。
この問題の用語
- 契約当事者の合意で成立する法的な約束のこと。原則として口頭でも成立し、契約書は内容を確かめる証拠になります。
- 調達必要なシステムや物品を、外部の事業者から手に入れる一連の手続です。情報提供の依頼、提案の依頼、選定、契約の順に進みます。
出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問5
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 春期 午前Ⅱ 問15:エネルギーレビューに関する問題(契約)
- 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問22:著作権法に関する問題(契約)
- 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問5:請負型の契約を基本とするフェーズ(契約)
- 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問3:組み込み型金融に関する問題(契約)
- 令和4年度 春期 午前Ⅱ 問5:準委任型が適切であるとされるもの(契約)
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