令和5年度 北海道 午前 問10
医薬品に共通する特性と基本的な知識
血液脳関門に関する問題
小児等の医薬品使用に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 小児は、肝臓や腎臓の機能が未発達であるため、医薬品の成分の代謝・排泄が大人よりも速い。
b 小児は、血液脳関門が未発達であるため、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。
c 小児向けの用法用量が定められていない医薬品の場合、医薬品の販売に従事する専門家は、保護者等に対して、成人用の医薬品の量を減らして小児へ与えるよう説明することが重要である。
d 乳幼児は、医薬品が喉につかえると、大事に至らなくても咳き込んで吐き出し苦しむことになり、その体験から医薬品の服用に対する拒否意識を生じることがある。
(肢は a b c d の順の正誤)
- 1正 正 正 誤
- 2誤 誤 正 正
- 3誤 正 誤 正
- 4正 誤 誤 正
- 5誤 正 正 誤
答えと解説を見る
✓ これが正解3誤 正 誤 正
解説
b・dが正。代謝・排泄は遅く(a誤)、減量使用は不可(c誤)
手引き第1章の小児等への配慮の知識で判断します。小児は大人と比べて身体の大きさに対して腸が長く、医薬品の成分の吸収率が相対的に高いことなど、医薬品の効き方に特徴があります。
aは誤りです。小児は肝臓や腎臓の機能が未発達であるため、医薬品の成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く出たりすることがあります。大人より速いのではなく、遅いのが正しい理解です。bは、血液脳関門(血液中から脳の組織へ物質が移るのを制限する仕組み)が未発達なため、医薬品の成分が脳に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすいという内容で正しい記述です。
cは誤りです。成人用の医薬品の量を減らして小児へ与えるような安易な使用は避け、必ず年齢に応じた用法用量が定められているものを使用するよう保護者等に説明することが重要です。dは、乳幼児は医薬品が喉につかえると咳き込んで吐き出し苦しむことになり、その体験から服用への拒否意識を生じることがあるという内容で正しい記述です。
したがって、a誤・b正・c誤・d正の組み合わせが正解です。小児は代謝・排泄が遅く、薬が脳に届きやすい、と2点を組で覚えると判断が速くなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1正 正 正 誤:a・cを正、dを誤としています。小児の代謝・排泄は大人より遅いのでaは誤り、成人用を減量して与えるcも誤りで、喉につかえた体験から服用を嫌がるようになるというdは正しい記述です。
- 2誤 誤 正 正:bを誤、cを正としています。血液脳関門が未発達で成分が脳に届きやすいというbは正しく、成人用の医薬品を減量して小児に与えるよう勧めるcは誤りです。
- 4正 誤 誤 正:aを正、bを誤としています。肝臓や腎臓が未発達な小児は成分の代謝・排泄が遅れるのでaは誤りで、中枢神経系の副作用を起こしやすいというbは正しい記述です。
- 5誤 正 正 誤:cを正、dを誤としています。小児には年齢に応じた用法用量が定められた医薬品を使うべきなのでcは誤りで、乳幼児の服用拒否の体験を述べたdは正しい記述です。
出典:令和5年度 北海道登録販売者試験 午前(北海道)問10(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、正誤・穴埋めの表を1行に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、北海道とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)