平成23年度 特別 午前 問60
システム監査
ITガバナンスに関する問題
システム監査報告書に記載された改善勧告に対して,被監査部門から提出された改善計画を経営者が IT ガバナンスの観点から評価する際の方針のうち,適切なものはどれか。
- ア1 年以内に実現できる改善を実施する。
- イ情報システムの機能面の改善に絞って実施する。
- ウ経営資源の状況を踏まえて改善を実施する。
- エ被監査部門の情報化予算の範囲内で改善を実施する。
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✓ これが正解ウ経営資源の状況を踏まえて改善を実施する。
解説
限りある資源と照らして順番と範囲を決めます。
評価するのが経営者で、観点が IT ガバナンスだという二語を、先に固定します。経営者が見るのは組織の全体ですから、一つの部門の都合では決めません。IT ガバナンスは、情報技術の使い方を経営の目標につなげるための統制です。したがって問われているのは、その改善に限りある資源を割り当てるだけの値打ちがあるか、という判断になります。正解の肢は、経営資源の状況を踏まえて改善を実施する、と述べています。経営資源とは人、物、資金、情報のことで、どれにも限りがあります。改善勧告がいくつも並んでも、同時にすべてを進めることはできません。危険の大きさと使える資源を突き合わせて、順番と範囲を決めることになります。残る三つに共通するのは、中身を見る前に枠をはめている点です。いつまでにできるかで切る、どの領域かで切る、どの財布から出すかで切る、という形はいずれも、判断の順序が反対になっています。先に中身と危険の大きさを見て、それから資源を配るのが、経営者の立場からの評価です。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア1 年以内に実現できる改善を実施する。:一年以内に実現できるかどうかで先に線を引いています。重い危険を抱えた指摘であっても、時間がかかるという理由だけで外れてしまいますから、値打ちを測る物差しとしては働きません。
- イ情報システムの機能面の改善に絞って実施す…:情報システムの機能面かどうかで先に線を引いています。監査の指摘は運用の手順や体制や教育の側に出ることも多く、機能を作り替えるだけでは片付かない事柄が残ってしまいます。
- エ被監査部門の情報化予算の範囲内で改善を実…:被監査部門の情報化予算の枠で先に線を引いています。組織の全体に及ぶ危険を、たまたま指摘を受けた部門の財布の大きさで決めることになり、経営者の立場からの評価として筋が通りません。
この問題の用語
- 改善勧告監査で見つかった問題について、直すよう促す申し入れのことです。事実の誤りがないかを相手と確かめてから、報告書に載せます。
- システム監査情報システムが安全で正しく使われているかを、担当から独立した立場で点検し報告すること。直すべきところを見つけて伝えます。
- 監査報告書監査の結果と意見、改善の勧告をまとめて伝える文書のことです。原案は相手と意見交換し、事実誤認がないかを確かめます。
- 被監査部門監査を受ける側の部門のことです。求められた調査には応じますが、存在しない証憑を作ったり、監査の項目を自分で決めたりはしません。
- 経営者組織の方向を決め、責任を負う立場の人のことをいいます。経営の方針や目標を定め、人や資金を配分して、その達成に責任を持ちます。
- 情報システム業務に必要なデータを集め、処理し、伝えるための仕組み全体です。コンピュータや通信網だけでなく、それを使う人や業務の手順も含みます。
出典:平成23年度 特別 応用情報技術者試験 午前 問60
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問59:監査人が行うフォローアップ(監査報告書)
- 令和7年度 春期 午前 問59:システム監査における“監査手続”(システム監査)
- 令和6年度 秋期 午前 問61:DX推進指標に関する問題(経営者)
- 平成30年度 春期 午前 問59:システム監査規程の最終的な承認者(被監査部門)
- 平成29年度 春期 午前 問58:改善勧告に関する説明(改善勧告)
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