平成23年度 特別 午前 問59
システム監査
情報セキュリティ管理基準の問題
情報セキュリティに関する従業員の責任について,“情報セキュリティ管理基準”に基づいて監査を行った。指摘事項に該当するものはどれか。
- ア雇用の終了をもって守秘責任が解消されることが,雇用契約に定められている。
- イ定められた勤務時間以外においても守秘責任を負うことが,雇用契約に定められている。
- ウ定められた守秘責任を果たさなかった場合,相応の措置がとられることが,雇用契約に定められている。
- エ定められた内容の守秘義務契約書に署名することが,雇用契約に定められている。
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✓ これが正解ア雇用の終了をもって守秘責任が解消されることが,雇用契約に定められている。
解説
退職で守秘が終わる定めは不備に当たります。
この設問は、適切なものではなく、指摘事項に該当するものを選べと述べています。指摘事項とは、監査人が情報セキュリティ管理基準に照らして不備があると書き留める事柄です。つまり四つのうち三つは適切に定められている例で、残る一つだけが不備だ、という形になります。まず設問の向きを確かめるところから始めてください。正解の肢は、雇用の終了をもって守秘責任が解消されると雇用契約に定めている例です。これを認めると、辞めた翌日から社内で知り得た事柄を自由に話してよいことになります。しかし情報の値打ちは、その人が辞めたからといって消えるものではありません。顧客の名簿も、設計上の工夫も、取引の条件も、しばらくは値打ちを持ち続けます。ですから、雇用が終わった後も守秘の責任が続くように定めておくのが、基準の求めるところです。実務では、退職後の年数を書き入れるか、期間を区切らずに続かせる形が取られます。見分け方としては、責任を狭める向きに書かれた記述をまず疑ってください。この種の定めは、責任の及ぶ範囲を広げる向きに置くのが原則です。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イ定められた勤務時間以外においても守秘責任…:定められた勤務時間以外でも守秘責任を負うと雇用契約に定めた例で、適切に整えられています。帰宅後の会話や社外の集まりでも情報は漏れますから、時間で区切らないのが正しい定め方です。
- ウ定められた守秘責任を果たさなかった場合,…:守秘責任を果たさなかった場合に相応の措置がとられると雇用契約に定めた例で、適切に整えられています。何が起きるかをあらかじめ示してあること自体が、基準の求める備えに当たります。
- エ定められた内容の守秘義務契約書に署名する…:定められた内容の守秘義務契約書に署名することを雇用契約に定めた例で、適切に整えられています。本人が了解したことを記録として残す形であり、後から知らなかったと言わせない備えになります。
この問題の用語
- 情報セキュリティ管理基準監査で何を満たしていればよいかを判断する尺度になる基準。JIS Q 27001 と JIS Q 27002 に整合させて作られています。
- 雇用契約働く人と会社との間で結ぶ、労働と賃金についての契約です。働く時間や場所、仕事の内容、賃金などの条件を定めます。
- 守秘義務仕事で知った秘密を、外に漏らさないという義務のことです。雇用や契約が終わったあとも続くよう定めるのがふつうです。
- 指摘事項監査で見つかった、直すべき点として報告書に書かれる事柄です。決まりどおりに行われていた行為は、ここには含まれません。
出典:平成23年度 特別 応用情報技術者試験 午前 問59
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 春期 午前 問59:システム監査における“監査手続”(指摘事項)
- 令和6年度 秋期 午前 問60:フォローアップの説明(指摘事項)
- 令和4年度 秋期 午前 問79:指揮命令権と雇用契約(雇用契約)
- 令和3年度 春期 午前 問58:監査報告書に記載すべきもの(情報セキュリティ管理基準)
- 平成25年度 春期 午前 問80:指揮命令権と雇用契約(雇用契約)
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