平成24年度 春期 午前 問61
経営戦略
事業継続計画に関する問題
災害や事故の発生後の対応を順に,BCP 発動,業務再開,業務回復,全面復旧の四つのフェーズに分けたとき,業務再開フェーズで実施するものはどれか。
- ア代替設備や代替手段から本番環境への切替手順を慎重に確認した上で,平常運用への移行を実施するとともに,BCP の見直しなど総括を実施する。
- イ発生事象の確認,対策本部の速やかな立上げ,確実な情報収集,BCP 基本方針の決定を実施する。
- ウ最も緊急度が高い業務や機能が再開された後に,代替設備や代替手段の運営を継続しながら,さらに業務範囲の拡大を実施する。
- エ最も緊急度の高い業務を対象に,代替設備や代替手段に切り替え,復旧作業の推進,要員などの経営資源のシフトを実施する。
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✓ これが正解エ最も緊急度の高い業務を対象に,代替設備や代替手段に切り替え,復旧作業の推進,要員などの経営資源のシフトを実施する。
解説
最も緊急度の高い業務を代替手段でまず動かします。
この設問は、災害や事故のあとの対応を四つに区切ったとき、業務再開と呼ばれる時点で何をするのかを尋ねています。見分けの軸は、その記述がどの時点の話か、という一点になります。四つは時間の目盛りとして並んでいます。発動、再開、回復、全面復旧の順で、後ろへ行くほど平常の状態に近づきます。業務再開は、そのうち二番目に置かれています。災害の直後は人も設備も通信も足りませんから、すべてを一度に元へ戻すことはできません。そこで、止まったままでは損害が最も大きい業務を先に選び、本来の設備でなくても構わないので、代替の設備や手段に切り替えて動かし始めます。あわせて復旧の作業を進め、要員などの経営資源をそちらへ移します。ここまでが業務再開の内容です。事業継続計画は、壊れたものを直すための計画ではなく、事業を止めないための計画だと考えると筋が通ります。平時のうちに目標復旧時間と業務の優先順位を決めておくのは、この切り替えを現場で迷わずに始められるようにするためです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア代替設備や代替手段から本番環境への切替手…:代替の設備や手段から本番の環境へ戻し、平常の運用へ移すところまで進んでいます。見直しや総括まで含んでいますから、四つの区切りのうち最後に置かれる全面復旧の内容に当たります。
- イ発生事象の確認,対策本部の速やかな立上げ…:発生した事象を確かめ、対策の本部を速やかに立ち上げ、情報を集めて基本方針を決める段階です。まだ業務を動かす話に入っていませんので、四つのうち最初に置かれる発動の内容になります。
- ウ最も緊急度が高い業務や機能が再開された後…:書き出しに、緊急度が高い業務や機能が再開された後に、と時点がはっきり示されています。代替を続けながら扱う範囲を広げていく話ですから、次の区切りである業務回復に当たります。
この問題の用語
- 事業継続計画予期せぬ事態でも重要な業務を続けられるよう、事前に決めておく行動計画。全業務を同じ水準で守るのではなく、優先順位をつけて策定します。
- BCP事業継続計画のこと。災害やシステム障害が起きても重要業務を続けるために、平時のうちに決めておく行動計画を指します。
- 移行いまのシステムから新しいシステムへ、業務とデータを移し替えることです。切り替えの手順と、途中で起きる問題の備えが要になります。
- 基本方針組織が取り組みの目的や考え方を、最も上の段で示す方針です。具体的な基準や手順は、これをよりどころにして定めます。
- 作業工程を組み立てる、一つひとつの仕事の単位のことです。開始と終了、所要日数をもち、順序をつないで全体の日程を作ります。
出典:平成24年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問61
同じ用語が出る問題
- 令和5年度 春期 午前 問60:内部統制に関する問題(基本方針)
- 令和4年度 秋期 午前 問61:BCPの説明(BCP)
- 令和4年度 春期 午前 問58:事業継続計画に関する問題(事業継続計画)
- 令和元年度 秋期 午前 問61:BCPの説明(BCP)
- 平成25年度 秋期 午前 問40:ISMSに関する問題(基本方針)
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