平成25年度 春期 午前 問60
システム監査
内部統制に関する問題
特権 ID(システムの設定やデータの追加,変更,削除及びそれらの権限の設定が可能な ID)の不正使用を発見するコントロールはどれか。
- ア特権 ID の貸出し及び返却の管理簿と,特権 ID のログを照合する。
- イ特権 ID の使用を許可された者も,通常の操作では一般利用者 ID を使用する。
- ウ特権 ID の使用を必要とする者は,使用の都度,特権 ID の貸出しを受ける。
- エ特権 ID の設定内容や使用範囲を,用途に応じて細分化する。
答えと解説を見る
✓ これが正解ア特権 ID の貸出し及び返却の管理簿と,特権 ID のログを照合する。
解説
記録と実績を照らして不正に気づきます。
設問が求めているのは、不正を防ぐ仕掛けではなく、起きたことに気づく仕掛けです。ここを取り違えると、もっともらしい肢を選んでしまいます。内部統制のコントロールは、働く時点で三つに分けて考えると整理できます。起きる前に食い止めるもの、起きた後に気づくもの、気づいた後に直すものです。真ん中のものは、あるべき姿を書いた記録と、実際に起きたことの記録を突き合わせて、食い違いを浮かび上がらせる形を取ります。この設問では、いつ誰に強い権限を渡したかを書いた管理簿があるべき姿にあたり、その権限で何がなされたかを残したログが実際に起きたことにあたります。両者を定期に照らせば、渡していないはずの時に使われた跡が食い違いとして表に出ます。ログを取っているだけでは気づいたことになりません。照らし合わせる運用まで備わって初めて働きます。照合、突合、点検、監視、棚卸しといった言葉が出てきたら、気づく側の仕掛けだと見てよいでしょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イ特権 ID の使用を許可された者も,通常…:強い権限が不要な場面で普通の利用者として振る舞わせるのは、危うい操作の機会そのものを減らす備えです。起きたことを浮かび上がらせる働きは持ちません。
- ウ特権 ID の使用を必要とする者は,使用…:必要なときだけ手渡す運びは、使える時間を絞る備えです。後で照らすための材料は残りますが、この仕組み自体が食い違いを見つけてくれるわけではありません。
- エ特権 ID の設定内容や使用範囲を,用途…:権限を細かく割って一人に集めないのは、万一のときに及ぶ範囲を狭める備えです。使われた事実を拾い上げる仕掛けとは、担っている役目が違います。
この問題の用語
- 内部統制不正やミスを防ぐため、承認や記録、点検といった手続きを業務そのものに組み込んでおく社内の仕組み。整備と運用の最終責任は経営者が負います。
- ログいつ誰が何をしたかを、機器やソフトウェアが自動で残していく記録です。あとから出来事をたどれるので、事故の調査や不正の発見に使われます。
- コントロール目的どおりに業務が進むように組み込む、決まりや点検、仕組みのことです。監査では、その整備と運用の状況が評価されます。
- 権限そのアカウントに許された操作の範囲のことです。用途ごとに必要なものだけを与え、定義用と更新用のように分けて持たせます。
出典:平成25年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問60
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問60:コントロールに関する問題(コントロール)
- 令和7年度 春期 午前 問58:ウォークスルー法の説明(コントロール)
- 令和5年度 秋期 午前 問60:ITへの対応に関する問題(内部統制)
- 令和5年度 春期 午前 問60:内部統制に関する問題(内部統制)
- 平成30年度 秋期 午前 問58:サンプリングに関する問題(内部統制)
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)