令和3年度 秋期 午前 問57
システム監査
情報セキュリティ監査に関する問題
経済産業省“情報セキュリティ監査基準 実施基準ガイドライン(Ver1.0)”における,情報セキュリティ対策の適切性に対して一定の保証を付与することを目的とする監査(保証型の監査)と情報セキュリティ対策の改善に役立つ助言を行うことを目的とする監査(助言型の監査)の実施に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア同じ監査対象に対して情報セキュリティ監査を実施する場合,保証型の監査から手がけ,保証が得られた後に助言型の監査に切り替えなければならない。
- イ情報セキュリティ監査において,保証型の監査と助言型の監査は排他的であり,監査人はどちらで監査を実施するかを決定しなければならない。
- ウ情報セキュリティ監査を保証型で実施するか助言型で実施するかは,監査要請者のニーズによって決定するのではなく,監査人の責任において決定する。
- エ不特定多数の利害関係者の情報を取り扱う情報システムに対しては,保証型の監査を定期的に実施し,その結果を開示することが有用である。
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✓ これが正解エ不特定多数の利害関係者の情報を取り扱う情報システムに対しては,保証型の監査を定期的に実施し,その結果を開示することが有用である。
解説
外の人へ示す監査には保証型が向きます。
設問は、経済産業省の情報セキュリティ監査基準 実施基準ガイドライン Ver1.0 における、保証型の監査と助言型の監査の実施に関する記述のうち、適切なものを四通りの中から選ばせています。ですから見分けの軸は、その記述が二つの型の関係や決め方を、設問の示す枠組みどおりに述べているか、という一点だけです。保証型は対策の適切性に一定の保証を与えることを目的とするもので、その報告を受け取るのは組織の外にいる人たちです。助言型は改善に役立つ助言を行うことを目的とし、受け取るのは組織の中の人たちです。不特定多数の利害関係者の情報を預かるシステムでは、外の人こそ安心の根拠を求めるので、保証型を定期に行って結果を示すことが役に立ちます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア同じ監査対象に対して情報セキュリティ監査…:保証型を先に手がけ、保証が得られてから助言型へ切り替えなければならないという記述です。実施の順序は定められておらず、助言を受けて整えてから保証を求める進め方もあり得ます。
- イ情報セキュリティ監査において,保証型の監…:二つの型は排他的で、監査人がどちらで実施するかを決めなければならないという記述です。両方の目的を併せ持つ監査もあり得るので、いずれか一方に限られるという立て方にはなっていません。
- ウ情報セキュリティ監査を保証型で実施するか…:どちらの型で実施するかを、監査を求めた側の必要によってではなく監査人の責任で決めるという記述です。何のために監査するのかを決めるのは求めた側で、監査人はその目的に沿って計画を立てます。
この問題の用語
- 情報セキュリティ監査対策が整えられ運用されているかを、独立した立場の人が検証して保証や助言を与える活動。対象は情報システムではなく情報資産で、コンピュータの無い部署も含みます。
- 保証型の監査対策が適切だと一定の保証を与えることを目的とする監査です。助言を行う助言型とは目的が違いますが、排他ではありません。
- 情報セキュリティ監査基準情報セキュリティ監査のやり方を定めた経済産業省の基準。保証を与える型と助言を行う型があり、判断の尺度には原則として情報セキュリティ管理基準を使います。
- 改善悪いところを直して、より良い状態にすること。一度で終わらせず、計画・実行・評価・見直しを繰り返して続けるのが基本です。
- 監査人システム監査を行う人。作る側や運用する側から独立した立場を保ち、自分では作らずに規程や記録を見て確かめます。
- 利害関係者決定や活動に影響を与える、または影響を受ける人や組織のこと。利用者や株主、取引先などが含まれ、ステークホルダとも呼ばれます。
- 情報システム業務に必要なデータを集め、処理し、伝えるための仕組み全体です。コンピュータや通信網だけでなく、それを使う人や業務の手順も含みます。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問57
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問59:監査人が行うフォローアップ(監査人)
- 令和7年度 秋期 午前 問58:システム監査基準に関する問題(監査人)
- 令和5年度 秋期 午前 問65:要求事項に関する問題(利害関係者)
- 令和5年度 春期 午前 問64:トレーサビリティに関する問題(利害関係者)
- 平成31年度 春期 午前 問60:指摘事項として記載すべきもの(情報セキュリティ監査)
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