令和2年度 10月 午前 問60
システム監査
システム監査基準(平成30年)
監査証拠の入手と評価に関する記述のうち,システム監査基準(平成 30 年)に照らして,適切でないものはどれか。
- アアジャイル手法を用いたシステム開発プロジェクトにおいては,管理用ドキュメントとしての体裁が整っているものだけが監査証拠として利用できる。
- イ外部委託業務実施拠点に対する現地調査が必要と考えたとき,委託先から入手した第三者の保証報告書に依拠できると判断すれば,現地調査を省略できる。
- ウ十分かつ適切な監査証拠を入手するための本調査の前に,監査対象の実態を把握するための予備調査を実施する。
- エ一つの監査目的に対して,通常は,複数の監査手続を組み合わせて監査を実施する。
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✓ これが正解アアジャイル手法を用いたシステム開発プロジェクトにおいては,管理用ドキュメントとしての体裁が整っているものだけが監査証拠として利用できる。
解説
書類の体裁だけで証拠と決めるのは適切でありません。
この設問は、監査証拠の集め方と評価の仕方についての記述のうち、システム監査基準に照らしてあてはまらないものを選ぶ問いです。ですから、それぞれの記述が、証拠を選ぶときの筋道に沿っているかどうかという一点で読み解いていきます。基準が求めているのは、証拠が十分な量に達し、監査の目的から見てふさわしいものであることの二点であって、書類としての体裁が整っているかどうかを条件に置いてはいません。ですから、アジャイルの手法を用いた開発の場面で、書類の体裁が整っているものだけを証拠にできるとする記述は、基準の趣旨からずれています。ほかの記述は、外部の委託先に対する現地の調査を、信頼できる第三者の保証の報告に置き換える扱い、下調べを済ませてから本調べに入る順序、一つの目的に対して複数の手続を組み合わせる考え方を述べていて、いずれも基準に沿った説明として通ります。ですから、体裁を条件に置くことの誤りが答えになります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イ外部委託業務実施拠点に対する現地調査が必…:委託先から得た第三者の保証の報告に頼れるなら、現地の調査を省略できると述べています。信頼できる保証の報告があれば重複を避けるために調査を省くという扱いで、基準が認める行き方に沿います。
- ウ十分かつ適切な監査証拠を入手するための本…:十分でふさわしい証拠を得るための本調べの前に、対象の実態を捉える下調べを行うと述べています。段取りを二段に分ける進め方は基準の標準の流れに沿っており、記述として通ります。
- エ一つの監査目的に対して,通常は,複数の監…:一つの目的に対して、通常は複数の監査の手続を組み合わせて行うと述べています。異なる手続を重ねて証拠の十分性と適切性を高める考え方は、基準の中心の原則に沿った説明として通ります。
この問題の用語
- 監査証拠監査人の判断を裏づける記録のこと。被監査部門から入手した運用記録などがこれで、監査人自身が作った計画書や議事録は含みません。
- システム監査基準システム監査を行う人が守るべき進め方をまとめた指針。誰がやっても同じ水準で点検できるように、手順と心構えを定めています。
- プロジェクトある目的のために期間を決めて行う、一回限りの活動。決算処理のように同じ手順を繰り返す定常業務とは区別されます。
- 外部委託業務の一部または全部を、外部の専門的な企業へ任せることです。任せる範囲や品質、費用、責任の分担を、契約で取り決めます。
- 委託先業務の一部を任せた相手の会社です。任せる内容や守るべき条件を契約で定め、委託した側が状況を確かめます。
出典:令和2年度 10月 応用情報技術者試験 午前 問60
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問60:コントロールに関する問題(システム監査基準)
- 令和7年度 秋期 午前 問50:著作者人格権に関する問題(委託先)
- 令和7年度 春期 午前 問59:システム監査における“監査手続”(監査証拠)
- 令和6年度 秋期 午前 問64:BPRに関する問題(外部委託)
- 令和6年度 春期 午前 問66:コンティンジェンシープランの記述(外部委託)
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