平成26年度 秋期 午前 問59
システム監査
外部委託に関する問題
外部委託に関するシステム監査において,経営破綻などによってソフトウェア資産のメンテナンスが受けられなくなることを防ぐために確認すべき契約項目はどれか。
- ア開発したソフトウェアの瑕疵担保責任条項
- イ外部委託先のサービスを評価するための SLA 条項
- ウ責任の所在を明確にするためのソフトウェア開発の再委託禁止条項
- エソフトウェアのソースコードなどを第三者へ預託するエスクロウ条項
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✓ これが正解エソフトウェアのソースコードなどを第三者へ預託するエスクロウ条項
解説
相手が消えても効くのは第三者への預託です。
設問は、外部委託に関するシステム監査で、経営破綻などによってソフトウェア資産のメンテナンスが受けられなくなることを防ぐために確認すべき契約項目を選ばせています。備えたい事態は、相手そのものが居なくなることです。ですから、相手が居なくなっても効く仕組みでなければ答えになりません。この一点で並びを切ると、相手が存続していることを前提にした約束はすべて落ちます。残るのは、ソースコードなどを第三者へ預けておく取り決め、すなわちエスクロウの条項です。仕組みを三者で描くと分かりやすくなります。開発した側が、ソースコードと設計の資料を中立の機関に預けます。発注した側は、あらかじめ契約で定めた事由、たとえば倒産や事業の停止、保守の打切りが起きたときに限って引渡しを受けます。平時は発注した側も中身を見られませんので、開発した側の営業上の秘密も守られます。監査人が見るのはどこかも押さえておきましょう。条項があるかどうかで終わらせず、実際に預託の契約が結ばれているか、預けたものが最新の版に追随しているか、引渡しの事由と手続が具体的に書かれているかまでを確かめます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア開発したソフトウェアの瑕疵担保責任条項:納めたものに欠陥があったときに直させるという約束です。直す役目を負う相手が事業を続けていることが前提なので、その相手が居なくなれば、約束そのものが働かなくなります。出題当時は瑕疵担保責任と呼ばれていましたが、その後の民法改正で契約不適合責任に改められています。
- イ外部委託先のサービスを評価するための S…:提供されるサービスの水準を評価するための取り決めです。水準を測って改善を求める相手が存在していて初めて意味を持ちますから、相手が消える事態への備えにはなりません。
- ウ責任の所在を明確にするためのソフトウェア…:仕事を別の会社へ回すことを禁じて、責任の所在をはっきりさせるための取り決めです。誰が責任を負うかを定めるだけなので、その相手が事業を続けられなくなる事態には効きません。
この問題の用語
- 外部委託業務の一部または全部を、外部の専門的な企業へ任せることです。任せる範囲や品質、費用、責任の分担を、契約で取り決めます。
- ソースコード人が読み書きできる形で書かれた、プログラムそのものです。コンパイラなどで、コンピュータが実行できる形に変換して使います。
- システム監査情報システムが安全で正しく使われているかを、担当から独立した立場で点検し報告すること。直すべきところを見つけて伝えます。
- 契約当事者の合意で成立する法的な約束のこと。原則として口頭でも成立し、契約書は内容を確かめる証拠になります。
- 委託先業務の一部を任せた相手の会社です。任せる内容や守るべき条件を契約で定め、委託した側が状況を確かめます。
- SLA提供する側と受ける側で、どの水準まで満たすかをあらかじめ取り決めた合意。緊急時の手順や、守れなかったときの扱いも決めておきます。
出典:平成26年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問59
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問59:監査人が行うフォローアップ(システム監査)
- 令和7年度 秋期 午前 問50:著作者人格権に関する問題(委託先)
- 令和7年度 春期 午前 問55:サービス可用性に関する問題(SLA)
- 令和7年度 春期 午前 問40:SBOMに関する問題(ソースコード)
- 令和6年度 秋期 午前 問64:BPRに関する問題(外部委託)
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