平成27年度 秋期 午前 問80
法務
企業の Web サイトに接続して Web ページを改ざんし,システムの使用目的に反する動作をさせて業務を妨害する行為を処罰の対象とする法律はどれか。
- ア刑法
- イ特定商取引法
- ウ不正競争防止法
- エプロバイダ責任制限法
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✓ これが正解ア刑法
解説
業務を妨害した行為を罰するのは刑法です。
法律を選ぶ問いは、誰を何から守る法律かで仕分けます。とくに処罰の対象とするという言い方が出てきたら、行為をした人を罰する法律に絞ります。それに当たるのは刑法です。正解は刑法で、ここで働くのは電子計算機損壊等業務妨害罪です。コンピュータやその中のデータを壊したり、虚偽の情報や不正な指令を与えたりして、使用目的に沿う動作をさせず、そのせいで業務を妨害した人を罰する定めです。設問にある、システムの使用目的に反する動作をさせて業務を妨害するという言い回しは、この定めの言い方をたどったものです。なお、Web ページの改ざんは、勝手に入り込んだという面では不正アクセス禁止法にも掛かりえます。この二つは重なりますが、不正アクセス禁止法はネットワークへの侵入そのものを対象にし、刑法はデータの改ざんや消去といった行為と、その結果としての業務の妨害を対象にします。この問いは業務を妨害する行為を処罰する法律を聞いているので刑法です。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イ特定商取引法:訪問販売や通信販売などの場面で、消費者が不利にならないよう事業者の勧誘や表示を規制する法律です。守る相手が消費者であって、業務の妨害を罰する定めではありません。
- ウ不正競争防止法:営業秘密の持ち出しや、よく知られた表示と紛らわしい表示で混同させる行為などを規制する法律です。企業どうしの競争の公正さを守る側なので、狙いが違います。
- エプロバイダ責任制限法:権利を侵害する情報が流れたときに、仲介する事業者が負う損害賠償の責任の範囲と、発信した人の情報の開示を求める手続を定めた法律です。行為をした人を罰する法律ではありません。2025年4月に情報流通プラットフォーム対処法へ改称されています。
この問題の用語
- 刑法犯罪と刑罰を定めた法律のこと。Webページの改ざんによる業務妨害や、虚偽の情報で不正送金させる行為もこの法律で罰せられます。
- 不正競争防止法事業者どうしの公正な競争を守る法律。秘密として管理された非公開で事業に役立つ情報を、営業秘密として保護します。
- 改ざん保管や送信の途中で、内容を許されずに書き換えること。完全性が損なわれますが、電子署名などを使えば起きたことを見つけられます。
- プロバイダ責任制限法掲示板などでの権利侵害について、事業者の責任の範囲を定めた法律です。侵害を知らずに放置した場合は、賠償の責任が制限されます。
出題当時の情報です(現在との違い)
プロバイダ責任制限法は、2025年4月の改正法施行で「情報流通プラットフォーム対処法」に改称されました(出題時は旧称)。
出典:平成27年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問80
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問45:デジタル署名に関する問題(改ざん)
- 令和6年度 春期 午前 問79:不正競争行為に該当するもの(不正競争防止法)
- 令和3年度 秋期 午前 問78:マルウェアに関する問題(刑法)
- 令和2年度 10月 午前 問78:送信防止措置に関する記述(プロバイダ責任制限法)
- 平成29年度 春期 午前 問79(刑法)
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