平成29年度 春期 午前 問79
法務
コンピュータウイルスを作成する行為を処罰の対象とする法律はどれか。
- ア刑法
- イ不正アクセス禁止法
- ウ不正競争防止法
- エプロバイダ責任制限法
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✓ これが正解ア刑法
解説
作る段階から罰するのは刑法の規定です。
設問は、コンピュータウイルスを作成する行為を処罰の対象とする法律を選ばせています。軸になるのは、その法律が誰のどの行為を罰するために置かれているかという点です。動詞で引くのが近道になります。作るという行為そのものを罰する規定は、名前に情報らしさのある特別な法律ではなく、刑法の側に置かれています。2011 年の改正で、正当な理由がないのに、人の意図に反する動作をさせる目的でこうしたプログラムを作り、渡し、使わせ、受け取り、保管する行為が処罰の対象になりました。それまでは実害が出て初めて別の罪で問える状態で、被害が生じる前の段階を止められないという穴があり、そこをふさぐために設けられた規定です。正当な理由がないのに、という条件が付いているのは、対策ソフトの研究や検体の解析までは罰しないためです。安全に関わる問いだからといって、それらしい名前の法律へ先に手を伸ばさないでください。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イ不正アクセス禁止法:不正アクセス禁止法が罰するのは、他人の識別符号を使ってなりすます行為や、守りの穴を突いて入り込む行為です。止めようとしているのは入り込むことですから、作る段階までは手が届きません。
- ウ不正競争防止法:不正競争防止法が扱うのは、営業秘密の不正な取得や使用や開示、よく知られた表示と紛らわしくする行為、形をまねる行為などです。企業どうしの公正な競争を守る法律であり、作る行為は対象外です。
- エプロバイダ責任制限法:プロバイダ責任制限法は、権利を侵す書き込みがあったときに事業者がどこまで責任を負うか、また発信者の情報をどう開示させるかという手続を定めています。守る側の手続であって、罰する規定ではありません。
この問題の用語
- 刑法犯罪と刑罰を定めた法律のこと。Webページの改ざんによる業務妨害や、虚偽の情報で不正送金させる行為もこの法律で罰せられます。
- 不正アクセス禁止法不正アクセスと、その手助けや、他人の識別符号(IDやパスワード)を不正に手に入れる行為を禁じた法律。入り込む前の行為も対象に含みます。
- 不正競争防止法事業者どうしの公正な競争を守る法律。秘密として管理された非公開で事業に役立つ情報を、営業秘密として保護します。
- ウイルスほかのプログラムに入り込んで増える、不正なプログラムです。単独で動くトロイの木馬や、自ら広がるワームとは区別されます。
- プロバイダ責任制限法掲示板などでの権利侵害について、事業者の責任の範囲を定めた法律です。侵害を知らずに放置した場合は、賠償の責任が制限されます。
出題当時の情報です(現在との違い)
プロバイダ責任制限法は、2025年4月の改正法施行で「情報流通プラットフォーム対処法」に改称されました(出題時は旧称)。
出典:平成29年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問79
同じ用語が出る問題
- 令和6年度 春期 午前 問79:不正競争行為に該当するもの(不正競争防止法)
- 令和4年度 春期 午前 問78:不正アクセス禁止法に関する問題(不正アクセス禁止法)
- 令和3年度 秋期 午前 問78:マルウェアに関する問題(刑法)
- 令和2年度 10月 午前 問78:送信防止措置に関する記述(プロバイダ責任制限法)
- 平成30年度 春期 午前 問44:パケットフィルタリングの問題(ウイルス)
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