平成28年度 秋期 午前 問62
経営戦略
学習と成長のKPIの目標例
IT ベンダにおけるソリューションビジネスの推進で用いるバランススコアカードの,学習と成長の KPI の目標例はどれか。ここで,ソリューションとは“顧客の経営課題の達成に向けて,情報技術と専門家によるプロフェッショナルサービスを通して支援すること”とする。
- アサービスを提供した顧客に対して満足度調査を行い,満足度の平均を 5 段階評価で 3.5 以上とする。
- イ再利用環境の整備によってソリューション事例の登録などを増やし,顧客提案数を前年度の 1.5 倍とする。
- ウ情報戦略のコンサルティングサービスに重点を置くために,社内要員 30 名を IT のプロフェッショナルとして育成する。
- エ情報戦略立案やシステム企画立案に対するコンサルティングの受注金額を,全体の 15%以上とする。
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✓ これが正解ウ情報戦略のコンサルティングサービスに重点を置くために,社内要員 30 名を IT のプロフェッショナルとして育成する。
解説
学習と成長の視点は、人と組織の力を測る土台です。
設問は、バランススコアカードの学習と成長の視点に当たる KPI の目標例を選ばせています。バランススコアカードは、業績を金額だけで見ずに四つの視点に分けて測る手法です。視点は下から順に、学習と成長、業務プロセス、顧客、財務と積み上がり、下の視点が上の視点の原因になるという因果の鎖で結ばれています。人が育てば社内のやり方が良くなり、やり方が良くなれば顧客が満足し、その結果として売上や利益が伸びる、という筋書きです。したがって判断の軸は、その目標が何を数えているかという一点になります。人の数や技能の高まりを数えていれば学習と成長、社内の活動量や処理の件数を数えていれば業務プロセス、満足度や占有率なら顧客、金額や比率なら財務です。社内要員 30 名を IT のプロフェッショナルとして育成するという目標は、人そのものの力を数えているので、学習と成長の視点に当たります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アサービスを提供した顧客に対して満足度調査…:受け取った側がどう感じたかを尋ね、その平均点を一定以上に保つという目標です。数えているのは相手の評価であり、社内の人材がどれだけ力を付けたかを表す指標ではありません。
- イ再利用環境の整備によってソリューション事…:部品や事例を使い回せる環境を整えた結果として、提案の件数を前年度の 1.5 倍に伸ばすという目標です。整えているのは仕組みであって人ではなく、数えているのも社内の活動量です。ここが最も紛らわしい肢になります。
- エ情報戦略立案やシステム企画立案に対するコ…:上流の助言業務が売上に占める割合を一定以上にするという目標です。数えているのは金額の構成比であり、最終的な成果の側を表す指標なので、土台に当たる視点ではありません。
この問題の用語
- KPI目標へ向かう取組みの進み具合を測るための指標のことです。在庫日数や誤出荷率のように、途中で確かめられる数値を置きます。
- 情報戦略情報をどう活かして経営の目標に近づくかを定める方針です。立てるときは、中長期の経営計画と必ず足並みをそろえます。
- 企画何のために作るのかを決め、進める形をまとめる最初の段階です。ここで業務の進め方そのものを見直すと、大きな改善につながります。
出典:平成28年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問62
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 春期 午前 問57:継続的改善に関する問題(KPI)
- 令和4年度 春期 午前 問56:保守性を表す指標に該当するもの(KPI)
- 令和3年度 秋期 午前 問62(KPI)
- 令和2年度 10月 午前 問62:企画プロセスで実施すべきもの(情報戦略)
- 令和2年度 10月 午前 問61:投資効果に関する問題(情報戦略)
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