平成31年度 春期 午前 問59
システム監査
指摘事項に関する問題
システム監査基準(平成 30 年)に基づいて,監査報告書に記載された指摘事項に対応する際に,不適切なものはどれか。
- ア監査対象部門が,経営者の指摘事項に対するリスク受容を理由に改善を行わないこととする。
- イ監査対象部門が,自発的な取組によって指摘事項に対する改善に着手する。
- ウシステム監査人が,監査対象部門の改善計画を作成する。
- エシステム監査人が,監査対象部門の改善実施状況を確認する。
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✓ これが正解ウシステム監査人が,監査対象部門の改善計画を作成する。
解説
監査人が改善計画そのものを作るのは、独立性を損ないます。
システム監査人は、監査対象部門から独立した第三者の立場を保ちながら、監査を実施することが求められています。指摘事項が出た後の改善は、対象部門の側の責任で計画し、実施していく仕事です。そこに監査人が入り込んで改善計画そのものを作ってしまうと、後で自らが関わった計画の実施状況を自らが監査することになり、監査の独立性そのものが崩れます。設問は【不適切なもの】を選ぶ形式で、四つのうち独立性を損なう方向の記述を探すのが筋道になります。対象部門が経営者の判断に基づいて改善を見送る場合や、自発的に改善に取りかかる場合は、いずれも改善の主体が対象部門の側にあります。監査人が改善実施状況を後から確かめる場合も、確かめる仕事に留まるので独立性は保たれます。正解の肢は、この線を越えて監査人が計画そのものを担ってしまう記述です。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア監査対象部門が,経営者の指摘事項に対する…:経営者の判断で指摘事項に対するリスク受容を理由に、改善を行わないこととすると述べています。リスクを受容するかどうかは経営者が判断することで、監査人の役割の外にあり、独立性を損なう記述ではありません。
- イ監査対象部門が,自発的な取組によって指摘…:自発的な取組によって指摘事項に対する改善に着手すると述べています。改善の主体は対象部門であり、監査を受けた側が自ら手を打つ動きは、監査の独立性を損なう記述にはあたりません。
- エシステム監査人が,監査対象部門の改善実施…:監査対象部門の改善実施状況を確認すると述べています。監査人が事後に確かめる仕事に留まる限り、この活動は独立性を保った範囲内の役目で、不適切な行為にはあたりません。
この問題の用語
- 指摘事項監査で見つかった、直すべき点として報告書に書かれる事柄です。決まりどおりに行われていた行為は、ここには含まれません。
- 独立性監査する人が、監査される側から切り離されている状態のことです。所属を内部監査部門にするなど、外から見て分かる形が求められます。
- システム監査基準システム監査を行う人が守るべき進め方をまとめた指針。誰がやっても同じ水準で点検できるように、手順と心構えを定めています。
- 監査報告書監査の結果と意見、改善の勧告をまとめて伝える文書のことです。原案は相手と意見交換し、事実誤認がないかを確かめます。
- 部門組織の中で、仕事の種類や担当ごとに分けられたまとまりです。専門ごとに分ける分け方と、製品や地域ごとに分ける分け方があります。
- 経営者組織の方向を決め、責任を負う立場の人のことをいいます。経営の方針や目標を定め、人や資金を配分して、その達成に責任を持ちます。
- リスク受容リスクを分かったうえで、対応せずそのまま残すと決めること。受け入れてよい基準はリスクアセスメントの前に定めておき、受容そのものはリスク所有者が承認します。
- 改善悪いところを直して、より良い状態にすること。一度で終わらせず、計画・実行・評価・見直しを繰り返して続けるのが基本です。
出典:平成31年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問59
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問60:コントロールに関する問題(システム監査基準)
- 令和7年度 秋期 午前 問58:システム監査基準に関する問題(独立性)
- 令和7年度 春期 午前 問59:システム監査における“監査手続”(指摘事項)
- 令和6年度 秋期 午前 問61:DX推進指標に関する問題(経営者)
- 令和4年度 秋期 午前 問41:リスクアセスメントに関する問題(リスク受容)
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