平成26年度 春期 午前 問60
システム監査
営業債権管理業務に関する内部統制
営業債権管理業務に関する内部統制のうち,適切なものはどれか。
- ア売掛金回収条件の設定は,営業部門ではなく,審査部門が行っている。
- イ売掛金の消込み入力と承認処理は,販売を担当した営業部門が行っている。
- ウ顧客ごとの与信限度の決定は,審査部門ではなく,営業部門の責任者が行っている。
- エ値引き又は割戻しの処理は,取引先の実態を熟知している営業部門の担当者が行っている。
答えと解説を見る
✓ これが正解ア売掛金回収条件の設定は,営業部門ではなく,審査部門が行っている。
解説
得をする部門が自分で決めていないかを見ます。
設問は、営業債権管理業務に関する内部統制として適切なものを選ばせています。物差しは職務分掌、つまり実行する人と審査したり承認したりする人を分けるという考え方ひとつで足ります。営業部門は売りたいという動機を持っています。その部門が、回収の条件も、与信の限度も、値引きの処理も、そして承認までも握ってしまえば、自分に都合よく緩められます。ですから見るべきなのは、その判断で得をする部門が、自分でその判断を下していないか、という一点です。適切な肢は、売掛金の回収条件の設定を、営業部門ではなく審査部門が行っている、というものです。売る側から独立した部門が、取引先の信用に応じて支払の期日や方法を決めますから、受注を取りたいがために回収条件を甘くする圧力が働きません。残る三つは、いずれも営業部門が自分に都合のよい判断を自分で下せる形になっています。添えられた理由がどれだけもっともらしく読めても、そこは切り離して考えてください。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イ売掛金の消込み入力と承認処理は,販売を担…:売掛金を消し込む入力と、それを承認する処理とを同じ部門が行っています。しかも販売を担当した当の部門ですから、入金が無くても消し込めてしまいます。
- ウ顧客ごとの与信限度の決定は,審査部門では…:与信限度を、売上を伸ばしたい部門の責任者が自分で決めています。自分で上限を上げられる形になるので、代金を回収できなくなる危険が増していきます。
- エ値引き又は割戻しの処理は,取引先の実態を…:値引きや割戻しの処理を営業部門の担当者が行うと、債権の金額を自分で減らせます。取引先に詳しいことと、統制のうえでその人がやってよいこととは別です。
この問題の用語
- 内部統制不正やミスを防ぐため、承認や記録、点検といった手続きを業務そのものに組み込んでおく社内の仕組み。整備と運用の最終責任は経営者が負います。
- 職務分掌一人に権限が集まらないよう、担当を分けて互いにけん制させる考え方。不正やミスが起きにくい形にする狙いがあります。
- 部門組織の中で、仕事の種類や担当ごとに分けられたまとまりです。専門ごとに分ける分け方と、製品や地域ごとに分ける分け方があります。
出典:平成26年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問60
同じ用語が出る問題
- 令和5年度 秋期 午前 問60:ITへの対応に関する問題(内部統制)
- 令和5年度 春期 午前 問60:内部統制に関する問題(内部統制)
- 平成30年度 春期 午前 問57:内部統制に関する問題(職務分掌)
- 平成26年度 秋期 午前 問44:職務分掌に関する問題(職務分掌)
- 平成24年度 秋期 午前 問60:営業債権管理業務に関する内部統制(職務分掌)
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)