令和3年度 秋期 午前 問60
システム監査
指摘事項に関する問題
システム監査基準(平成 30 年)に基づいて,監査報告書に記載された指摘事項に対応する際に,不適切なものはどれか。
- ア監査対象部門が,経営者の指摘事項に対するリスク受容を理由に改善を行わないこととする。
- イ監査対象部門が,自発的な取組によって指摘事項に対する改善に着手する。
- ウシステム監査人が,監査対象部門の改善計画を作成する。
- エシステム監査人が,監査対象部門の改善実施状況を確認する。
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✓ これが正解ウシステム監査人が,監査対象部門の改善計画を作成する。
解説
改善計画づくりまで担うと独立性が崩れます。
設問は、システム監査基準 平成 30 年に基づいて、監査報告書に記載された指摘事項に対応する際に不適切なものを選ばせています。三つが適切で一つだけが不適切という形なので、見分けの軸は、その行いが役割の線を越えているか、という一点だけです。指摘を受けて直すかどうかを決めるのは経営者、実際に直すのは指摘を受けた部門、そして直っていく様子を確かめるのが監査人、という分担になっています。監査人が改善の計画そのものを作ってしまうと、後の監査で自分の作った計画を自分で採点することになり、独立した立場が保てません。助言することは許されますが、代わりに担うところまで進むと、その線を越えます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア監査対象部門が,経営者の指摘事項に対する…:経営者が指摘事項に伴うリスクを受け入れると決めたことを理由に、改善を行わないとする対応です。受容は正当な経営判断として認められるので、不適切なものを選ぶ設問の答えにはなりません。
- イ監査対象部門が,自発的な取組によって指摘…:指摘を受けた部門が、自発的な取組として改善に着手する対応です。直す責任はその部門にあるため、むしろ望ましい姿であり、不適切なものを選ぶ設問の答えにはなりません。
- エシステム監査人が,監査対象部門の改善実施…:監査人が、指摘を受けた部門の改善の進み具合を確かめる対応です。確かめるところまでが監査人の受け持ちで、独立した立場を保ったままの行いに当たります。
この問題の用語
- 指摘事項監査で見つかった、直すべき点として報告書に書かれる事柄です。決まりどおりに行われていた行為は、ここには含まれません。
- システム監査基準システム監査を行う人が守るべき進め方をまとめた指針。誰がやっても同じ水準で点検できるように、手順と心構えを定めています。
- 監査報告書監査の結果と意見、改善の勧告をまとめて伝える文書のことです。原案は相手と意見交換し、事実誤認がないかを確かめます。
- 部門組織の中で、仕事の種類や担当ごとに分けられたまとまりです。専門ごとに分ける分け方と、製品や地域ごとに分ける分け方があります。
- 経営者組織の方向を決め、責任を負う立場の人のことをいいます。経営の方針や目標を定め、人や資金を配分して、その達成に責任を持ちます。
- リスク受容リスクを分かったうえで、対応せずそのまま残すと決めること。受け入れてよい基準はリスクアセスメントの前に定めておき、受容そのものはリスク所有者が承認します。
- 改善悪いところを直して、より良い状態にすること。一度で終わらせず、計画・実行・評価・見直しを繰り返して続けるのが基本です。
- 監査人システム監査を行う人。作る側や運用する側から独立した立場を保ち、自分では作らずに規程や記録を見て確かめます。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問60
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問60:コントロールに関する問題(システム監査基準)
- 令和7年度 秋期 午前 問59:監査人が行うフォローアップ(監査報告書)
- 令和7年度 春期 午前 問59:システム監査における“監査手続”(指摘事項)
- 令和6年度 秋期 午前 問61:DX推進指標に関する問題(経営者)
- 令和4年度 秋期 午前 問41:リスクアセスメントに関する問題(リスク受容)
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