平成29年度 春期 午前Ⅱ 問8
システム監査
情報セキュリティ監査基準の問題
情報セキュリティ監査基準(Ver1.0)に基づく保証型監査の意見表明において,監査人が必要と認めた監査手続が制約され,保証意見の合理的な根拠を得ることができなかった場合の対応はどれか。
- ア意見を表明しない。
- イ限定付肯定意見を表明する。
- ウ肯定意見を表明する。
- エ否定意見を表明する。
答えと解説を見る
✓ これが正解ア意見を表明しない。
解説
合理的な根拠が得られないときは、意見を表明しません。
設問が引く情報セキュリティ監査基準(Ver1.0)の保証型監査では、監査意見を述べるには、それを支える合理的な根拠が必要です。見分ける軸は、意見の中身が良いか悪いかではなく、そもそも意見を出せるだけの根拠があるかどうかです。必要な監査手続が制約されて実施できず、保証意見の合理的な根拠を得られなかった場合、監査人は肯定とも否定とも判断できません。根拠のないまま意見を出せば、読み手に誤った安心や誤った警告を与えてしまいます。そこで、この場合は意見を表明しないという対応になります。根拠があって良否を判断できるときは肯定・限定付・否定のいずれか、根拠そのものが無いときは不表明、と二段で考えると整理しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イ限定付肯定意見を表明する。:限定付肯定意見は、一部に問題や手続の制約があっても、それを除けば全体として適切と言えるだけの根拠がある場合に用いる意見です。合理的な根拠そのものが得られなかった状況では、限定を付けても意見を支えられません。
- ウ肯定意見を表明する。:肯定意見は、監査証拠に基づいて監査対象が適切であると判断できたときに述べる意見です。必要な手続ができず根拠を欠いたまま肯定すると、確かめていないことを保証することになります。
- エ否定意見を表明する。:否定意見は、監査証拠に基づいて重大な問題があると判断できたときに述べる意見です。手続が制約されて根拠がないという状況は、問題があると確かめられた状況とは違うため、否定の意見も出せません。
この問題の用語
- 情報セキュリティ監査基準情報セキュリティ監査のやり方を定めた経済産業省の基準。保証を与える型と助言を行う型があり、判断の尺度には原則として情報セキュリティ管理基準を使います。
- 監査人システム監査を行う人。作る側や運用する側から独立した立場を保ち、自分では作らずに規程や記録を見て確かめます。
出典:平成29年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問8
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問8:3線モデルに関する問題(監査人)
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問7:システム監査基準に関する問題(監査人)
- 平成29年度 春期 午前Ⅱ 問3:システム監査基準に関する問題(情報セキュリティ監査基準)
- 平成22年度 春期 午前Ⅱ 問10:情報セキュリティ監査基準の問題(情報セキュリティ監査基準)
- 平成21年度 春期 午前Ⅱ 問5:助言型監査に関する記述(情報セキュリティ監査基準)
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)