令和2年度 10月 午前Ⅱ 問5
内部統制
リスクアプローチの説明
財務報告に係る内部統制監査におけるリスクアプローチの説明のうち,適切なものはどれか。
- ア監査の効率性を念頭におき,固有リスクだけを評価する。
- イ財務諸表の重要な虚偽表示リスクの有無にかかわらず,任意に抽出した業務プロセスに対してリスクを評価する。
- ウ財務報告に係る全ての業務に対して,ボトムアップで網羅的にリスクを洗い出して評価する。
- エ想定されるリスクのうち,財務諸表の重要な虚偽表示リスクが高い項目に監査のリソースを重点的に配分する。
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✓ これが正解エ想定されるリスクのうち,財務諸表の重要な虚偽表示リスクが高い項目に監査のリソースを重点的に配分する。
解説
重要な虚偽表示リスクが高い項目に監査の資源を重点的に配分します。
見分ける軸は、監査の資源を均等に配るか、リスクの大きさに応じて配るかです。リスクアプローチは、財務諸表に重要な虚偽表示が生じるリスクを評価し、そのリスクが高い項目に監査の手続や人員を重点的に振り向け、低い項目は簡略にする考え方です。限られた監査の資源で、重要な誤りを見逃す危険を許容できる水準まで下げることを狙っています。評価の対象は、一部のリスクだけでも、任意に選んだ業務でも、網羅的に洗い出した全ての業務でもなく、重要な虚偽表示につながるかという観点で絞り込まれた項目です。リスクの高いところに厚く、低いところに薄く、と資源配分の考え方で覚えると見分けられます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア監査の効率性を念頭におき,固有リスクだけ…:監査の効率性を理由に固有リスクだけを評価するのは不十分です。リスクアプローチでは、固有リスクに加えて、内部統制で防げないリスクなども合わせて評価し、重要な虚偽表示が生じるリスクの全体を捉える必要があります。
- イ財務諸表の重要な虚偽表示リスクの有無にか…:重要な虚偽表示リスクの有無とは関係なく業務プロセスを任意に選ぶと、リスクの高い領域を見落とすおそれがあります。リスクの大きさに応じて対象を選ぶリスクアプローチの考え方と合いません。
- ウ財務報告に係る全ての業務に対して,ボトム…:財務報告に係る全ての業務をボトムアップで網羅的に洗い出すのは手間がかかるうえ、重要な領域へ資源を集中できません。財務報告に係る内部統制の評価では、全社的な観点から重要な領域を絞り込むトップダウン型の考え方がとられます。
この問題の用語
- 内部統制不正やミスを防ぐため、承認や記録、点検といった手続きを業務そのものに組み込んでおく社内の仕組み。整備と運用の最終責任は経営者が負います。
- 財務諸表会社のお金の状況をまとめて、外部に示すための書類のことです。損益計算書や貸借対照表、製造原価明細書などが含まれます。
- 業務プロセス仕事の目的を果たすまでの一連の手順のこと。RPAなどを導入する前に、全体を見える形にして見直すことが大切とされます。
出典:令和2年度 10月 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問5
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問10:全般統制に関する問題(業務プロセス)
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問8:3線モデルに関する問題(内部統制)
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問2:システム管理基準に関する問題(業務プロセス)
- 令和6年度 秋期 午前Ⅱ 問10:統制環境に該当するもの(内部統制)
- 令和6年度 秋期 午前Ⅱ 問4:ガバナンスに関する問題(業務プロセス)
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