令和6年度 問40
その他の法令
少額訴訟に関する問題
管理組合Aが、区分所有者Bに対してマンションの滞納管理費を請求するために、民事訴訟法に定められている「少額訴訟」を利用する場合に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1少額訴訟によって訴えを提起する場合、その上限額は60万円である。
- 230万円を超える少額訴訟の場合には、地方裁判所に提起しなければならない。
- 3Aが、同一の年に同一の簡易裁判所において、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる回数には制限がある。
- 4AとBは、口頭弁論が続行された場合を除き、第1回口頭弁論期日前又はその期日において、すべての主張と証拠を提出しなければならない。
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✓ これが正解230万円を超える少額訴訟の場合には、地方裁判所に提起しなければならない。
解説
少額訴訟は金額にかかわらず簡易裁判所の手続で、地方裁判所とする記述が誤りです。
少額訴訟は、民事訴訟法第368条以下に定められた簡易裁判所の特別な手続です。訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて、原則として1回の期日で審理を終え、すぐに判決を出すことで、少額の請求を手早く解決できるようにしています。
上限額を60万円とする記述は、第368条第1項のとおり適切です。同じ原告が同じ年に同じ簡易裁判所で少額訴訟を求められる回数には、最高裁判所規則で定める制限があるので、回数に制限があるという記述も適切です。管理組合のように滞納の請求を繰り返す原告が、この手続を使い続けることを抑える趣旨です。少額訴訟では最初の口頭弁論の期日で審理を完了するのが原則で、当事者はその期日前又はその期日に、すべての攻撃又は防御の方法(主張と証拠)を出さなければなりません。口頭弁論が続行された場合は別なので、その記述も適切です。
不適切なのは、30万円を超える少額訴訟は地方裁判所に提起するとした記述です。少額訴訟は簡易裁判所においてだけ利用できる手続で、60万円以下であれば金額が30万円を超えても簡易裁判所に提起します。少額訴訟は簡易裁判所・60万円以下・一期日審理、と三つの特徴で覚えると見分けられます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1少額訴訟によって訴えを提起する場合、その…:少額訴訟を使えるのは、訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払請求に限られます。管理組合が滞納管理費を請求する場合も同じで、上限を60万円とする記述は条文に合っています。
- 3Aが、同一の年に同一の簡易裁判所において…:利用回数の上限は、同じ原告が同じ年に同じ簡易裁判所へ申し立てる場合について、裁判所の規則で決められています。上限があるという記述は正しく、誤りに数えるものではありません。
- 4AとBは、口頭弁論が続行された場合を除き…:一回の期日で審理を終えるのが少額訴訟の原則なので、当事者は最初の期日の前かその期日に攻撃防御の方法を出し切る必要があります。弁論が続行された場合を除くという点まで条文どおりです。
出典:令和6年度 管理業務主任者試験(一般社団法人マンション管理業協会)問40
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