平成21年度 春期 午前Ⅱ 問24
法務
下請代金支払遅延等防止法の問題
ソフトウェア開発を下請業者に委託する場合,下請代金支払遅延等防止法で禁止されている行為はどれか。
- ア交通費などの経費については金額を明記せず,実費負担とする旨を発注書面に記載する。
- イ下請業者に委託する業務内容は決まっているが,ユーザ側との契約代金が未定なので,下請代金の取決めはユーザとの契約決定後とする。
- ウ発注書面を交付する代わりに,下請業者の承諾を得て,必要な事項を記載した電子メールで発注を行う。
- エユーザ側の事情で下請予定の業務内容の一部が未定なので,その部分及び下請代金は別途取り決める。
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✓ これが正解イ下請業者に委託する業務内容は決まっているが,ユーザ側との契約代金が未定なので,下請代金の取決めはユーザとの契約決定後とする。
解説
業務内容が決まっているのに、代金の取決めを後回しにする行為です。
下請代金支払遅延等防止法では、親事業者は発注にあたり、下請代金の額などを記載した書面を直ちに下請事業者へ交付しなければなりません。代金を決めないまま作業を進めさせると、後から一方的に低い額を押し付けられるおそれがあるためです。ユーザとの契約代金が決まっていないのは発注者側の都合であり、下請業者に委託する業務内容は決まっているので、代金を定めない理由にはなりません。業務内容が決まっているのに代金だけを後回しにしていないかを軸に見ると判断できます。出題当時の下請代金支払遅延等防止法に基づく問題で、その後2026年1月施行の改正で中小受託取引適正化法(取適法)に改められています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア交通費などの経費については金額を明記せず…:交通費などの経費を実費で負担すると発注書面に記載しておけば、後で実際にかかった額で精算するという定め方が示されていることになります。金額そのものを書いていなくても、代金の取決めを放置したことにはなりません。
- ウ発注書面を交付する代わりに,下請業者の承…:下請業者の承諾を得たうえで、書面に記載すべき事項を電子メールなどの電磁的方法で提供することは、書面の交付に代えることが認められていました。必要な事項が記載されていれば、禁止された行為には当たりません。
- エユーザ側の事情で下請予定の業務内容の一部…:ユーザ側の事情で業務内容の一部がまだ決まっていないなら、その部分は代金も決めようがありません。このように正当な理由がある場合は、内容が決まった後に代金などを定めて補充の書面を交付する扱いが認められていました。
この問題の用語
- 契約当事者の合意で成立する法的な約束のこと。原則として口頭でも成立し、契約書は内容を確かめる証拠になります。
- 電子メール文書やファイルをネットワーク越しに送る仕組み。送信にはSMTP、受信にはPOP3やIMAP4というプロトコルが使われます。
出典:平成21年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問24
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問23:多要素認証疲労攻撃の例(電子メール)
- 令和6年度 秋期 午前Ⅱ 問21:ベンダー間の契約についての記述(契約)
- 令和6年度 秋期 午前Ⅱ 問20:実費償還契約に関する問題(契約)
- 令和6年度 秋期 午前Ⅱ 問17:アジャイルに関する問題(契約)
- 令和6年度 秋期 午前Ⅱ 問12:レンタル費用の最低金額(契約)
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