システム戦略|システムアーキテクト試験
この分野には 20問あります。くり返し出ているものから並べています。
この分野でくり返し出ている用語は情報システム(8問)・投資(6問)・業務プロセス(5問)・キャッシュ(4問)・要求分析(3問)です。問題が多い回は平成26年度 秋期(4問)・平成21年度 秋期(4問)・平成24年度 秋期(3問)です。
経営の目的に照らして、IT を描き、測り、任せる
システム戦略は、経営の目的に合わせて情報システム全体をどう描き、投資の効果をどう測り、誰に担わせるかを決める分野です。描く道具、測る指標、調達や活用の形を分けて押さえると整理しやすくなります。
全体を描く枠組みがエンタープライズアーキテクチャです。業務、データ、アプリケーション、技術の層に分けて組織全体を捉え、業務の層では機能情報関連図として DFD を使い、業務機能の間の情報の発生源と到達点、処理、保管、流れを描きます。参照モデルも層ごとにあり、BRM は業務の観点から共通化できる領域を洗い出すためのものです。
全社のデータモデルはトップダウンで作ります。主要なエンティティだけを取り出して関連を含めた鳥瞰図を描き、その後で詳細化します。エンティティは管理するデータの対象で、機能や業務そのものではありません。業務の流れを統一した記法で描くには BPMN を使い、イベント、アクティビティ、分岐や合流、流れの矢印で表します。
投資効果の測り方には二つの見方があります。金額で測る NPV は、n 年後の回収額を(1+割引率)の n 乗で割って今の価値に直し、合計から投資額を引きます。回収額の合計が同じでも、早く回収するほど値は大きくなります。多面的に測るのがバランススコアカードで、財務、顧客、内部ビジネスプロセス、学習と成長の視点ごとに指標を置きます。
指標は、投資の目的の達成度を測るものを選びます。業務効率化なら処理時間、戦略的な投資なら市場シェアのように、目的と指標を対応させます。出荷までの日数は内部ビジネスプロセス、研修の受講率は学習と成長の視点に当たります。
担い手と活用の形も区別します。アウトソーシングは開発や運用などの業務の全部又は一部を外部の企業に委託することで、社内の別部門への移管や、派遣された要員を自社が指揮して働かせることとは違います。BI は蓄積した大量のデータを分類・加工・分析して迅速な意思決定に生かす手法で、データサイエンティストには課題を整理する力、分析する力、仕組みを実装・運用する力が求められます。
この分野で出た問題
- 平成26年度 秋期 問142回出題投資効果を現在価値法で評価するとき,最も投資効果の大きい(又は損失の小さい)シナリオはどれか。ここで,期間は3年間,割引率は5%とし,各シナリオのキャッシュフローは表のとおりとする。
- 平成26年度 秋期 問2要求分析・設計技法のうち,BPMNの説明はどれか。
- 平成21年度 秋期 問20BI(Business Intelligence)を説明したものはどれか。
- 令和4年度 春期 問13IT 投資に対する評価指標の設定に際し,バランススコアカードの手法を用いて KPI を設定する場合に,内部ビジネスプロセスの視点に立った KPI の例はどれか。
- 平成30年度 秋期 問17IT投資の評価手法のうち,バランススコアカードを用いた手法を説明したものはどれか。
- 平成29年度 秋期 問14IT投資を,投資目的によって表のように分類した。IT投資評価のKPIのうち,戦略的投資に対するKPIの例はどれか。
- 平成25年度 秋期 問15IT投資案件Xの投資効果をNPVで評価する場合の算出式はどれか。
- 平成26年度 秋期 問17エンタープライズアーキテクチャにおいて,ビジネスアーキテクチャの成果物である機能情報関連図(DFD)を説明したものはどれか。
- 平成23年度 秋期 問16エンタープライズアーキテクチャにおいて,ビジネスアーキテクチャの成果物である機能情報関連図(DFD)を説明したものはどれか。
- 平成24年度 秋期 問17エンタープライズアーキテクチャの参照モデルのうち,BRM(Business Reference Model)で提供されるものはどれか。
- 平成28年度 秋期 問17エンタープライズアーキテクチャ(EA)における,ビジネスアーキテクチャの成果物である機能情報関連図(DFD)を説明したものはどれか。
- 平成29年度 秋期 問17ビッグデータを有効活用し,事業価値を生み出す役割を担う専門人材であるデータサイエンティストに求められるスキルセットを表の三つの領域と定義した。データサイエンス力に該当する具体的なスキルはどれか。
- 平成21年度 秋期 問11情報システムのアウトソーシングを説明したものはどれか。
- 平成24年度 秋期 問15情報システムの全体計画立案のために E-R モデルを用いて全社のデータモデルを作成する手順はどれか。
- 平成26年度 秋期 問15情報システムの全体計画立案のためにE-Rモデルを用いて全社のデータモデルを作成する手順はどれか。
- 平成22年度 秋期 問14情報システムの導入に伴って変化するキャッシュフローの現在価値を計算することで,投資効果を評価する指標はどれか。
- 平成21年度 秋期 問19経済産業省によれば,エンタープライズアーキテクチャ(EA)のビジネスアーキテクチャで機能情報関連図(DFD)を作成する目的はどれか。
- 平成23年度 秋期 問3要件定義フェーズにおいて BPMN(Business Process Modeling Notation)を導入する効果として,適切なものはどれか。
- 平成21年度 秋期 問3要求分析・設計技法のうち,BPMNの説明はどれか。
正解と解説は、答え合わせのあとに出ます。
年度から解く
この分野の問題は 10年度ぶんの試験から出ています。いちばん新しいのは令和4年度 春期です。年度別に解くと、回ごとにまとめて解けます。