令和3年度 春期 午前Ⅱ 問14
技術戦略マネジメント
“死の谷”の説明
技術経営における課題のうち,“死の谷”の説明として,適切なものはどれか。
- アコモディティ化が進んでいる分野で製品を開発しても,他社との差別化ができず,価格競争に陥り,利益の獲得が難しいこと
- イ新製品が市場に浸透していく過程において,実用性を重んじる顧客が受け入れず,より大きな市場を形成できないこと
- ウ先進的な製品開発に成功しても,事業化するためには更なる困難があること
- エプロジェクトのマネジメントが適切に行われないために,プロジェクトの現場に生じた過大な負担がメンバを過酷な状態に追い込み,失敗に向かってしまうこと
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✓ これが正解ウ先進的な製品開発に成功しても,事業化するためには更なる困難があること
解説
製品開発に成功しても、事業化までにさらに困難があることを指します。
技術経営(MOT)では、研究開発の成果が事業として利益を生むまでの道のりに、いくつかの関門があるとされます。研究の成果を製品開発につなげる段階の関門は魔の川、開発した製品を事業化する段階の関門は死の谷、事業化した製品が市場で生き残る段階の関門はダーウィンの海と呼ばれます。見分ける軸は、どの段階とどの段階の間の困難を指すかです。死の谷は、先進的な製品の開発に成功しても、生産体制の構築や販売網の整備などに資金や人材が必要となり、事業化するまでにさらに困難があることを指します。ほかの選択肢は、価格競争、市場の拡大の壁、プロジェクトの過重負担という別の問題です。川、谷、海の三つを、開発、事業化、市場での生き残りの順に並べて覚えると区別できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アコモディティ化が進んでいる分野で製品を開…:コモディティ化が進んだ分野で差別化ができず、価格競争に陥って利益を得にくくなるのは、製品の価値が均質になることによる問題です。開発の成功から事業化までの間にある困難を指す死の谷とは別の課題です。
- イ新製品が市場に浸透していく過程において,…:新製品が普及する過程で、実用性を重んじる顧客が受け入れず、より大きな市場を形成できないのは、キャズムと呼ばれる問題です。初期の顧客から多数派の顧客へ広がる段階の壁であり、事業化の手前の困難ではありません。
- エプロジェクトのマネジメントが適切に行われ…:マネジメントが不適切なためにプロジェクトの現場に過大な負担がかかり、メンバが過酷な状態に追い込まれて失敗に向かう状況は、プロジェクト運営の問題です。技術の成果を事業化する段階の困難を指す死の谷とは異なります。
この問題の用語
- プロジェクトある目的のために期間を決めて行う、一回限りの活動。決算処理のように同じ手順を繰り返す定常業務とは区別されます。
出典:令和3年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問14
同じ用語が出る問題
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