令和6年度 北海道 午前 問15
医薬品に共通する特性と基本的な知識
薬害の歴史に関する問題
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)及びその訴訟に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a ヒト乾燥硬膜の原料が採取された段階でプリオンに汚染されている場合があり、プリオン不活化のための十分な化学的処理が行われないまま製品として流通し、脳外科手術で移植された患者にCJDが発生した。
b 細菌でもウイルスでもないリン脂質の一種であるプリオンが原因とされた。
c 症状としては、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難が現れる。
d CJD訴訟の和解後に、生物由来製品による感染等被害救済制度の創設等がなされた。
(肢は a b c d の順の正誤)
- 1正 誤 正 正
- 2誤 正 誤 正
- 3正 誤 誤 正
- 4正 正 誤 誤
- 5誤 誤 正 誤
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✓ これが正解3正 誤 誤 正
解説
aとdが正しく、bはタンパク質の一種、cはスモンの症状なので誤り。
手引きの第1章、薬害の歴史のうちクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)訴訟の知識で判断します。CJD訴訟は、脳外科手術等に用いられていたヒト乾燥硬膜を介してCJDに罹患したことに対する損害賠償訴訟です。
aは正しい記述です。ヒト乾燥硬膜の原料が採取された段階でプリオンに汚染されている場合があり、プリオン不活化のための十分な化学的処理が行われないまま製品として流通し、脳外科手術で移植された患者にCJDが発生しました。bは誤りです。原因とされたプリオンは、細菌でもウイルスでもないタンパク質の一種です。リン脂質の一種とする部分が違います。cも誤りです。腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難が現れる、というのはスモン(亜急性脊髄視神経症)の症状です。CJDは、認知症に類似した症状が現れ、死に至る重篤な神経難病です。dは正しい記述です。CJD訴訟の和解などを踏まえ、生物由来製品による感染等被害救済制度の創設等がなされました。
したがって、a正・b誤・c誤・d正の組み合わせが正解です。薬害ごとに原因と症状と後の制度を表にして対で覚えると、他の薬害の症状を混ぜた記述を見抜けます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1正 誤 正 正:cを正しいとしている点が違います。腹痛を伴う下痢から下半身の痺れや歩行困難に進む症状はスモンのもので、CJDは認知症に似た症状が現れる神経難病なので、cは誤りです。
- 2誤 正 誤 正:aを誤り、bを正しいとしている点が違います。汚染されたヒト乾燥硬膜の移植でCJDが発生したというaは正しく、プリオンはタンパク質の一種なのでbは誤りです。
- 4正 正 誤 誤:bを正しい、dを誤りとしている点が違います。プリオンはリン脂質ではなくタンパク質の一種で、CJD訴訟の和解の後に生物由来製品による感染等被害救済制度が創設されました。
- 5誤 誤 正 誤:aとdを誤り、cを正しいとしている点が違います。乾燥硬膜の移植で発生した経緯と、和解後の感染等被害救済制度の創設は手引きのとおりで、cはスモンの症状です。
出典:令和6年度 北海道登録販売者試験 午前(北海道)問15(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、正誤・穴埋めの表を1行に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、北海道とは関係ありません。
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