平成24年度 春期 午前 問79
法務
著作権に関する問題
A 社は,B 社と著作物の権利に関する特段の取決めをせず,A 社の要求仕様に基づいて,販売管理システムのプログラム作成を B 社に依頼した。この場合のプログラム著作権の原始的帰属は,どのようになるか。
- アA 社と B 社が話し合って決定する。
- イA 社と B 社の共有となる。
- ウA 社に帰属する。
- エB 社に帰属する。
答えと解説を見る
✓ これが正解エB 社に帰属する。
解説
実際に創作した側に最初から生じます。
この設問は、著作物の権利について特段の取決めをせずにプログラムの作成を外部へ依頼した場合、その著作権が最初に誰のものとして生じるのかを尋ねています。見分けの軸は、誰が実際に創作したか、という一点になります。著作権は、創作した者に自動的に生じます。登録や届出を経て生まれるものではなく、作った時点でその作り手のものとして発生します。設問が原始的帰属と書いているのは、まさにこの最初に生じる段階のことです。この事例では、要求仕様を示したのは依頼した側ですが、プログラムを実際に書いたのは依頼を受けた側です。したがって著作権は、作成を引き受けた側に生じます。特段の取決めをしていないという条件が付いていますから、契約によって移す手当ても行われていません。実務では、この原則があるからこそ契約であらかじめ定めておきます。譲り受けるのか、それとも権利は相手に残したまま必要な使用許諾を受けるのかを決めておかないと、自社の求めで作らせたものを改変も再利用もできないという事態が起こります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アA 社と B 社が話し合って決定する。:権利の発生そのものが話合いで決まることはありません。取り決められるのは、生じた後の権利を譲るかどうかや、どこまで利用してよいかであって、最初にどちらへ生じるかではありません。
- イA 社と B 社の共有となる。:共有になるのは、双方が共同で創作に関わった場合です。この事例で依頼した側が行ったのは要求仕様を示すことにとどまっており、創作そのものに手を動かしたことにはなりません。
- ウA 社に帰属する。:費用を負担した側へ自動的に移るという定めはありません。対価を支払ったのだから自分のものだという受け止め方は日常にはありますが、権利が最初に生じる先を動かす根拠にはなりません。
この問題の用語
- 著作権文章や絵、プログラムなどを作った人に自動で生まれる権利。届け出をしなくても、作った時点で発生します。
- 使用許諾権利者が、決められた条件のもとで使うことを認めることです。認められた範囲を超えて使うと、契約に反することになります。
- 原始的帰属著作権が、最初に誰のものとして生じるかということです。特段の取決めがなければ、実際に作成した受託者の側に生じます。
出典:平成24年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問79
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問50:著作者人格権に関する問題(著作権)
- 令和4年度 春期 午前 問77:原始的帰属に関する記述(原始的帰属)
- 令和元年度 秋期 午前 問50:使用許諾に関する説明(使用許諾)
- 平成28年度 秋期 午前 問50:使用許諾に関する説明(使用許諾)
- 平成22年度 秋期 午前 問78:著作権法に関する問題(原始的帰属)
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)