平成26年度 秋期 午前 問50
開発技術
著作権に関する問題
組込み機器用のソフトウェアを開発委託する契約書に開発成果物の著作権の帰属先が記載されていない場合,委託元であるソフトウェア発注者に発生するおそれがある問題はどれか。ここで,ソフトウェアは委託先が全て自主開発するものとする。
- ア開発成果物を,委託元で開発する別のソフトウェアに適用できなくなる。
- イソースコードを公開することが義務付けられる。
- ウソフトウェアをバイナリ形式でしか販売できなくなる。
- エハードウェアと合わせて,アルゴリズムに関する特許を取得できなくなる。
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✓ これが正解ア開発成果物を,委託元で開発する別のソフトウェアに適用できなくなる。
解説
著作権は作った側に生まれ、書かねば移りません。
設問は、組込み機器用のソフトウェアの開発を委託する契約書に、成果物の著作権の帰属先が書かれていない場合、発注した側に起こりうる問題を選ばせています。出発点は原則の確認です。著作権は、代金を払った側ではなく、創作した側に生まれます。設問には、ソフトウェアは委託先がすべて自主開発するという但し書きがありますから、創作したのは委託先です。契約に帰属の定めが無ければ、著作権は委託先に残ったままになります。では発注した側は何に困るのでしょうか。納められたものを使うことはできます。そのために委託したのですから当然です。しかし著作権を持っていないので、複製したり、手を入れたり、別の製品に取り込んだりするには、そのつど相手の許しが必要です。ですから、成果物を自社で開発する別のソフトウェアに適用できなくなるという記述が当てはまります。防ぎ方も押さえておきましょう。著作権を発注した側へ譲り渡すと契約に明記し、あわせて著作者人格権を行使しない旨も定めます。全部の譲渡が難しければ、手を入れてよい、二次利用してよいといった許諾の範囲を具体的に書きます。代金を払えば権利も一緒に移る、ということはありません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イソースコードを公開することが義務付けられ…:ソースコードの公開が義務付けられるのは、公開を条件とする利用許諾の下にある部品を取り込んだ場合に起こることです。権利が誰のものかという話からは、この義務は生じません。
- ウソフトウェアをバイナリ形式でしか販売でき…:販売の形を実行可能な形式だけに縛られるという制限も、権利の帰属からは導けません。むしろ権利を持たない側は、どの形で売るにしても、そのつど相手の許しが必要です。
- エハードウェアと合わせて,アルゴリズムに関…:特許権は著作権とは別の制度で、発明をした者やその権利を受け継いだ者が出願します。著作権が誰に残っているかによって、出願できるかどうかが決まるわけではありません。
この問題の用語
- 著作権文章や絵、プログラムなどを作った人に自動で生まれる権利。届け出をしなくても、作った時点で発生します。
- 著作者人格権作った人の気持ちを守る権利で、他人に譲ることはできません。意に反して作品を変えられない同一性保持権などが含まれます。
- 契約当事者の合意で成立する法的な約束のこと。原則として口頭でも成立し、契約書は内容を確かめる証拠になります。
- 委託先業務の一部を任せた相手の会社です。任せる内容や守るべき条件を契約で定め、委託した側が状況を確かめます。
- ソースコード人が読み書きできる形で書かれた、プログラムそのものです。コンパイラなどで、コンピュータが実行できる形に変換して使います。
- アルゴリズム問題を解くための、決まった手順や考え方そのものです。同じ問題でも手順によって、処理にかかる時間や必要な記憶量が変わります。
出典:平成26年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問50
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問50:著作者人格権に関する問題(著作者人格権)
- 令和7年度 春期 午前 問78:著作権侵害にあたるか否か(著作権)
- 令和7年度 春期 午前 問40:SBOMに関する問題(ソースコード)
- 令和6年度 春期 午前 問66:コンティンジェンシープランの記述(委託先)
- 令和4年度 春期 午前 問60:システム監査基準(平成30年)(委託先)
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