第36回 問題99
生活支援技術
Kさん(77歳,女性,要支援2)は,もの忘れが目立ちはじめ,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら夫と二人で生活している。訪問時,Kさん夫婦から,「Kさんがテレビショッピングで購入した健康食品が毎月届いてしまい,高額の支払いが発生して困っている」と相談があった。
Kさん夫婦に対する訪問介護員(ホームヘルパー)の発言として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1「健康食品は処分しましょう」
- 2「クーリング・オフをしましょう」
- 3「買い物は夫がするようにしましょう」
- 4「契約内容を一緒に確認しましょう」
- 5「テレビショッピングでの買い物はやめましょう」
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✓ これが正解4「契約内容を一緒に確認しましょう」
解説
まず夫婦と一緒に契約内容を確認するのが適切です。
事例の決め手は、Kさんにもの忘れが目立ち始めていること、テレビショッピングで買った健康食品が毎月届き、高額の支払いが生じて夫婦が困っていると相談してきたことです。最初に必要なのは、どのような契約になっているのかという事実をつかむことです。毎月届くのは定期購入の契約である可能性がありますが、それも契約内容を見なければ分かりません。
訪問介護員が夫婦と一緒に契約内容を確認すれば、解約の方法や条件、支払いの状況が分かり、次の対応を考えられます。Kさんと夫の意思を尊重しながら、必要に応じて消費生活センターなどの相談窓口や、サービス提供責任者・介護支援専門員につなぐことにもつながります。
なお、テレビショッピングは通信販売にあたり、特定商取引に関する法律では、訪問販売などと違ってクーリング・オフの制度がありません。通信販売の返品は、商品を受け取った日から8日以内の解除を認める規定がありますが、広告に返品についての特約が表示されていれば、その特約が優先されます。
見分け方として、消費者トラブルの相談では、結論を急いで指示するのではなく、まず事実を一緒に確かめる対応を選びましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1「健康食品は処分しましょう」:健康食品を処分しても、毎月届く契約そのものは続き、支払いも止まりません。解約や返品の手続きで商品が必要になることもあるため、内容を確かめる前に捨てるよう勧めるのは適切ではありません。
- 2「クーリング・オフをしましょう」:テレビショッピングは通信販売にあたり、クーリング・オフの仕組みは設けられていません。契約内容を確かめないまま手続きを勧めると、夫婦に誤った期待を持たせることになります。
- 3「買い物は夫がするようにしましょう」:買い物を夫に任せると決めつけると、Kさんが自分で選んで買う機会を奪い、本人の意思を尊重することになりません。また、すでに結んでいる契約の問題を解決する手立てにもなっていません。
- 5「テレビショッピングでの買い物はやめましょう」:テレビショッピングを一律にやめさせるのは、Kさんの楽しみや自己決定を一方的に制限する発言です。いま困っている毎月の支払いの問題を解決する手立てにもなっていません。
出典:第36回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題99。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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