第36回 問題100
ソーシャルワークの理論と方法
ソーシャルワークのアプローチに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1機能的アプローチでは,4つのPを実践の構成要素として,クライエントのコンピテンス,動機づけとワーカビリティを高めることを目指す。
- 2問題解決アプローチでは,女性にとっての差別や抑圧などの社会的現実を顕在化させ,個人のエンパワメントと社会的抑圧の根絶を目指す。
- 3ユニタリーアプローチでは,ソーシャルワーカーが所属する機関の機能と専門職の役割機能の活用を重視し,クライエントのもつ意志の力を十分に発揮できるよう促すことを目指す。
- 4実存主義アプローチでは,クライエントが自我に囚われた状態から抜け出すために,他者とのつながりを形成することで,自らの生きる意味を把握し,疎外からの解放を目指す。
- 5フェミニストアプローチでは,システム理論に基づいて問題を定義し,ソーシャルワーカーのクライエントに対する教育的役割を重視し,段階的に目的を達成することを目指す。
答えと解説を見る
✓ これが正解4実存主義アプローチでは,クライエントが自我に囚われた状態から抜け出すために,他者とのつながりを形成することで,自らの生きる意味を把握し,疎外からの解放を目指す。
解説
実存主義アプローチは、生きる意味の把握と疎外からの解放を目指します。
この問は、ソーシャルワークの各アプローチの特徴を正しく対応させられるかで判断します。誤りの記述は、他のアプローチの説明を入れ替えた形になっています。
実存主義アプローチは、実存主義の哲学を取り入れたもので、クライエントが自分の殻に閉じこもり、自我に囚われた状態から抜け出し、他者との関わりや対話を通して自分が生きる意味を見いだすことを重視します。人間らしさを失った疎外の状態から解放され、主体的に生き方を選び取ることが目標です。したがって、実存主義アプローチの記述が最も適切です。
ほかの記述は、4つのPとワーカビリティ、女性への抑圧と解放、機関の機能と意志の力、システム理論と段階的な目的達成といった、別のアプローチの中心語を組み合わせて作られています。覚え方は、各アプローチの中心語(4つのP=問題解決/抑圧と解放=フェミニスト/機関の機能と意志=機能的/システム=ユニタリー/生きる意味と疎外=実存主義)を一対一で結ぶことです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1機能的アプローチでは,4つのPを実践の構…:パールマンが示した4つのPやワーカビリティは、問題解決アプローチの用語です。機能的アプローチの中心は、所属機関の機能を生かし、本人の意志の力を引き出すことにあります。
- 2問題解決アプローチでは,女性にとっての差…:差別や抑圧という女性の社会的現実に光を当てるのはフェミニストアプローチの説明です。問題解決アプローチは、本人の問題解決の力を4つのPの枠組みで高める方法です。
- 3ユニタリーアプローチでは,ソーシャルワー…:機関の機能や意志の力を重んじる説明は、ランクの意志心理学に由来する機能的アプローチのものです。ユニタリーアプローチは、システム理論を土台に諸方法をまとめようとする立場です。
- 5フェミニストアプローチでは,システム理論…:システム理論に基づく問題の定義、ワーカーの教育的役割、段階的な目的達成は、ユニタリーアプローチの説明です。フェミニストアプローチは、女性への抑圧という社会的現実を問い直す方法です。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題100。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
同じ用語が出る問題
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)