第37回 問題71
ソーシャルワークの理論と方法
問題解決アプローチに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1クライエントのもつ主体的な意志の力に注目し,支援機関の活用を図る。
- 2クライエントの動機づけ,能力,機会を把握して支援を進める。
- 3クライエントが直面している危機状況に対して,短期集中的に働きかける。
- 4クライエントへの直接的な支援とともに,個人を取り巻く環境に働きかけを行う。
- 5クライエントが解決を望む問題について,目標と期限を設定し課題に取り組む。
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✓ これが正解2クライエントの動機づけ,能力,機会を把握して支援を進める。
解説
問題解決アプローチは、動機づけ・能力・機会を把握して支援を進めます。
問題解決アプローチは、パールマン(Perlman, H.)が提唱した、診断主義と機能主義を折衷した実践のアプローチです。人が生きていくことはそれ自体が問題解決の過程であるとし、クライエントが自分の問題に取り組む力(ワーカビリティ)を高めることを重視しました。
パールマンは、ケースワークの構成要素として、人(Person)、問題(Problem)、場所(Place)、過程(Process)の4つのPを示し、のちに専門職と制度を加えて6つのPとしました。また、クライエントが問題解決に取り組めるかどうかは、動機づけ(Motivation)、能力(Capacity)、機会(Opportunity)によって決まるとし、これらを把握して支援を進めることを説きました。この3つは頭文字からMCOモデルと呼ばれます。したがって、クライエントの動機づけ、能力、機会を把握して支援を進めるとする記述が最も適切です。
ほかの記述は、別のアプローチの特徴です。意志の力と機関の機能、危機状況への短期集中的な働きかけ、人と環境の双方への働きかけ、目標と期限を決めた課題への取組、という特徴語から、それぞれのアプローチを言い当てられるようにしておくと見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1クライエントのもつ主体的な意志の力に注目し,支援機関の活用を図る。:クライエントの主体的な意志の力に注目し、支援機関の機能を活用して援助を進めるのは、ランク(Rank, O.)の意志心理学を土台にした機能的アプローチの特徴です。問題解決アプローチの説明ではありません。
- 3クライエントが直面している危機状況に対して,短期集中的に働きかける。:危機的な状況に置かれたクライエントに短期間・集中的に働きかけるのは、危機介入アプローチの特徴です。問題解決アプローチは、クライエントの取り組む力を高めながら問題解決の過程を進めるものです。
- 4クライエントへの直接的な支援とともに,個人を取り巻く環境に働きかけを行う。:クライエントへの直接的な支援とあわせて、その人を取り巻く環境にも働きかけるのは、人と状況の全体を捉える心理社会的アプローチの特徴です。ホリス(Hollis, F.)が体系化したことで知られます。
- 5クライエントが解決を望む問題について,目標と期限を設定し課題に取り組む。:クライエントが解決を望む問題について目標と期限を設定し、課題に取り組むのは、リード(Reid, W.)とエプスタイン(Epstein, L.)が開発した課題中心アプローチの特徴です。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題71。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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