令和6年度 問2
民法
区分所有法に関する問題
マンションに関する次の記述のうち、民法、区分所有法及び判例によれば、最も適切なものはどれか。
- 1区分所有者は、区分所有権を取得した旨の届出を管理組合に提出すれば、登記の有無にかかわらず、第三者にその区分所有権を対抗することができる。
- 2マンションに居住する区分所有者が管理費を滞納したまま区分所有権を譲渡した場合、管理組合は、当該前区分所有者が転出に際して届け出た転居場所に滞納管理費の支払を催告すれば、その到達の有無にかかわらず、有効な請求となる。
- 3マンションの敷地上の駐車場を賃借している区分所有者が、管理組合に無断で当該駐車場を外部の第三者に転貸して収入を得ているときは、管理組合は、当該賃貸借契約を解除することができる。
- 4区分所有法第3条によって組織される区分所有者の団体は、同法第25条に基づく管理者を選任さえしていれば、当該団体として契約の当事者となることができる。
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✓ これが正解3マンションの敷地上の駐車場を賃借している区分所有者が、管理組合に無断で当該駐車場を外部の第三者に転貸して収入を得ているときは、管理組合は、当該賃貸借契約を解除することができる。
解説
無断転貸で第三者に使用させた借主との契約は、解除できます。
本問は、区分所有建物をめぐる民法の基本ルールと、区分所有者の団体の扱いを組み合わせた問です。正解を決める軸は民法第612条で、賃借人は賃貸人の承諾を得なければ賃借物を転貸(又貸し)できず、これに違反して第三者に使用や収益をさせたときは、賃貸人は契約を解除できるとされています。
マンションの敷地にある駐車場を管理組合から借りている区分所有者が、管理組合に断りなく外部の第三者に又貸しして収入を得ている場面は、この無断転貸にあたります。駐車場の使用契約も賃貸借として扱われるので、管理組合は賃貸人の立場で当該賃貸借契約を解除できます。この記述が最も適切です。
ほかの記述は、登記と届出の違い、意思表示がいつ効力を生じるか、団体が契約の当事者になれる条件という別の問題を扱っていますが、いずれも結論を言い過ぎています。権利を第三者に主張するための要件、相手に届くことの意味、団体としての実体の有無を、それぞれ条文や判例の考え方と照らし合わせる必要があります。
見分け方としては、賃貸人の承諾のない又貸しは解除の理由になる、という第612条の組み立てをまず思い出すと、マンションの駐車場が舞台の問題でもすぐに判断できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1区分所有者は、区分所有権を取得した旨の届…:区分所有権も不動産に関する物権なので、第三者に対抗するには民法第177条により登記をしなければなりません。管理組合への取得の届出は組合内部の手続であり、登記の代わりにはならないため、登記の有無を問わないという点が誤りです。
- 2マンションに居住する区分所有者が管理費を…:民法第97条第1項により、意思表示は通知が相手方に到達した時から効力を生じます。前区分所有者が届け出た転居先へ催告書を送っても、届かなければ支払請求の効力は生じないので、到達の有無にかかわらず有効とする部分が誤りです。
- 4区分所有法第3条によって組織される区分所…:区分所有法第3条の団体が団体の名で契約を結ぶには、多数決の原則で運営され、構成員が変わっても団体が存続し、代表の方法や財産の管理などが定まっているという、権利能力のない社団としての実体が必要とされます。管理者の選任だけでは足りません。
出典:令和6年度 管理業務主任者試験(一般社団法人マンション管理業協会)問2
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