平成30年度 秋期 午前 問66
システム企画
準委任型が適切であるとされるもの
ベンダ X 社に対して,表に示すように要件定義フェーズから運用テストフェーズまでを委託したい。X 社との契約に当たって,“情報システム・モデル取引・契約書<第一版>”に照らし,各フェーズの契約形態を整理した。a〜d の契約形態のうち,準委任型が適切であるとされるものはどれか。
〔表〕各フェーズの契約形態(原典は横1列の表。縦に読み替えて書き写した) フェーズ 契約形態 要件定義 a システム外部設計 準委任型又は請負型 システム内部設計 b ソフトウェア設計,プログラミング,ソフトウェアテスト 請負型 システム結合 c システムテスト 準委任型又は請負型 運用テスト d
- アa,b
- イa,d
- ウb,c
- エb,d
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✓ これが正解イa,d
解説
要件定義と運用テストが準委任型です。
表の空欄になっている四つの工程のうち、準委任型が適切とされるものの組合せを選ぶ問いです。まず二つの契約形態の性格を一行ずつ押さえます。請負契約は仕事の完成を約束するもので、何を作るかが先に確定していなければ結べません。準委任型は役務の提供を約束するもので、完成までは約束しません。次に、表の埋まっている欄を手掛かりにします。ソフトウェア設計からプログラミング、ソフトウェアテストまでの欄は請負型と言い切られています。設計書が固まった後の製造は、成果物がはっきりしているからです。その前後にあるシステム外部設計とシステムテストは、両方の形態が並べて挙げられています。つまり請負の島が真ん中にあり、そこから外側へ行くほど準委任に寄る形になっています。空欄の四つをこの並びに当てはめます。入口の a は要件定義で、何を作るかをこれから決める工程です。決めるのは委託した側で、ベンダは支える立場になります。出口の d は運用テストで、業務が回るかどうかを自分の目で確かめて合否を判定するのも委託した側です。どちらもベンダの側で完成を約束できませんから、準委任型が適切とされます。見分けの軸は、その工程の主体がどちら側にあるかです。主体が委託した側にある工程には、完成の責任を負わせられません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アa,b:入口の a は言い当てていますが、システム内部設計の b を一緒に挙げています。内部設計は外部設計で決まった仕様を内部の構造へ落とす工程で、成果物を先に確定できます。
- ウb,c:システム内部設計の b とシステム結合の c を挙げた組合せです。どちらも仕様が定まった後に成果物を作る工程で、請負型と言い切られている製造の欄と地続きに並びます。
- エb,d:出口の d は言い当てていますが、システム内部設計の b を一緒に挙げています。作るものが決まっている工程まで含めてしまうと、境目が製造の側へずれます。
この問題の用語
- 請負契約仕事の完成を約束して引き受ける契約のこと。作業の遂行だけを約束する準委任契約と違い、成果物を完成させる義務を負います。
- 要件定義作るシステムに何を求めるかを決める工程。業務の進め方だけでなく、稼働率や復旧までの時間といった条件も書き出します。
- 運用テスト本番と同じ環境で、実際の業務のとおりに動くかを利用者と運用者が確かめるテストです。開発の最後に、本番稼働の前に行います。
- 契約当事者の合意で成立する法的な約束のこと。原則として口頭でも成立し、契約書は内容を確かめる証拠になります。
- 情報システム業務に必要なデータを集め、処理し、伝えるための仕組み全体です。コンピュータや通信網だけでなく、それを使う人や業務の手順も含みます。
- 請負仕事の完成を約束して引き受ける形のこと。委託先の事業所で働いても指揮命令するのは雇用主で、委託側との指揮命令関係は生じません。
- ログいつ誰が何をしたかを、機器やソフトウェアが自動で残していく記録です。あとから出来事をたどれるので、事故の調査や不正の発見に使われます。
- システムテスト作り上げたシステム全体が、求めたとおり動くかを確かめる試験です。機能のほか、性能や操作性、異常時の動きなども確かめます。
出典:平成30年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問66
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問46:要件定義に関する問題(要件定義)
- 令和7年度 春期 午前 問54:テスト密度に関する問題(システムテスト)
- 令和5年度 秋期 午前 問80(請負)
- 令和4年度 秋期 午前 問79:指揮命令権と雇用契約(請負契約)
- 平成22年度 秋期 午前 問55:移行に関する問題(運用テスト)
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