令和5年度 春期 午前Ⅱ 問25
法務
中小受託取引適正化法に関する問題
ユーザーから請け負うソフトウェア開発を下請事業者に委託し,下請代金支払遅延等防止法の適用を受ける場合に禁止されている行為はどれか。
- ア下請事業者に委託する業務内容は決まっているが,ユーザーとの契約代金が未定なので,下請代金の取決めはユーザーとの契約締結後とした上で発注を行う。
- イ発注書面に交通費などの経費の金額を明記せず,実費負担とする旨を記載する。
- ウ発注書面を交付する代わりに,下請事業者の承諾を得て,必要な事項を記載した電子メールで発注を行う。
- エユーザーの事情によって,下請事業者に委託する業務内容の一部が未定なので,その部分及び下請代金は別途取り決める。
答えと解説を見る
✓ これが正解ア下請事業者に委託する業務内容は決まっているが,ユーザーとの契約代金が未定なので,下請代金の取決めはユーザーとの契約締結後とした上で発注を行う。
解説
業務内容が決まっているのに代金を定めず発注するのは禁止です。
下請代金支払遅延等防止法(下請法)では、親事業者は発注に際して、下請代金の額などを記載した書面を直ちに下請事業者に交付しなければなりません。内容が定められないことに正当な理由がある事項に限って、その記載をせず、定まった後に補充することが認められています。見分ける軸は、代金を決めずに発注することに正当な理由があるかどうかです。委託する業務内容が決まっているのに、ユーザーとの契約代金が未定だからという親事業者側の都合で下請代金を決めずに発注するのは、正当な理由に当たらず、禁止される行為です。出題当時の下請法は、2026年1月施行の改正で取適法に改められています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イ発注書面に交通費などの経費の金額を明記せ…:交通費などの経費は、発注時点で額を確定しにくいため、実費を負担する旨を書面に記載しておけば、代金の定め方として認められます。金額の算定の方法が示されているので、禁止される行為には当たりません。
- ウ発注書面を交付する代わりに,下請事業者の…:出題当時の下請法では、書面の交付に代えて、下請事業者の承諾を得たうえで必要な事項を電子メールなどで提供することが認められています。承諾を得ているので、書面の交付義務に反する行為にはなりません。
- エユーザーの事情によって,下請事業者に委託…:ユーザーの事情で業務内容の一部が未定の場合、その部分と代金を後で定めることには正当な理由があります。決まっている部分は書面で示し、未定の部分は定まった後に補充すれば、禁止される行為には当たりません。
この問題の用語
- 契約当事者の合意で成立する法的な約束のこと。原則として口頭でも成立し、契約書は内容を確かめる証拠になります。
- 電子メール文書やファイルをネットワーク越しに送る仕組み。送信にはSMTP、受信にはPOP3やIMAP4というプロトコルが使われます。
出典:令和5年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問25
同じ用語が出る問題
- 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問3:事業関係管理に関する問題(契約)
- 令和4年度 春期 午前Ⅱ 問19:転嫁に該当するもの(契約)
- 令和4年度 春期 午前Ⅱ 問6:事業関係管理に関する問題(契約)
- 令和3年度 春期 午前Ⅱ 問7:構成管理に関する問題(契約)
- 平成30年度 秋期 午前Ⅱ 問16(契約)
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)