法務|ITサービスマネージャ試験
この分野には 14問あります。くり返し出ているものから並べています。
この分野でくり返し出ている用語は契約(5問)・指揮命令(3問)・シュリンクラップ契約(2問)・使用許諾契約(2問)・刑法(2問)です。問題が多い回は令和7年度 春期(1問)・令和5年度 春期(1問)・令和3年度 春期(1問)です。
罰する法、取引を整える法、働き方を決める法
法律は、何を守るために誰に向けて定めたものかで分けると見通しがよくなります。コンピュータを使った行為を罰するのは刑法で、Webページの改ざんなどで業務を妨害すれば電子計算機損壊等業務妨害、人ではなくコンピュータに虚偽の情報を与えて不正な送金などの利益を得れば電子計算機使用詐欺に当たります。
働き方では、法定労働時間を超える時間外労働や休日労働は、労使協定を書面で結び労働基準監督署に届け出た範囲でだけ認められ、これが36協定です。派遣では雇用主は派遣元、指揮命令は派遣先で、派遣先責任者は指揮命令する者に法や契約の内容を周知します。請負なのに発注者が作業の指示や休暇のルールまで決めれば、実態は派遣とみなされます。派遣の期間制限は、かつて専門的な業務を対象外としていましたが、現在はその区別はなくなっています。
取引では、下請法が、発注時に代金の額などを書いた書面をすぐ渡すことを親事業者に求め、未定にできるのは正当な理由のある事項に限っていました。現在は改正により中小受託取引適正化法(取適法)に改められています。特定商取引法は訪問販売などに契約解除の権利を与え、書面を受け取ってから8日以内なら、販売業者が応じないと告げていても解除できます。
製品とお金の面では、製造物責任法は欠陥による損害について過失がなくても製造業者に責任を負わせる一方、引渡し時の科学や技術の水準では見つけられない欠陥なら責任を免れます。資金決済法は、電子マネーなど前払式支払手段の発行者に、情報の漏えいなどを防ぐ措置を求めます。
ソフトウェアや著作物では、包装を開封した時点で使用許諾に同意したとみなすのがシュリンクラップ契約です。批評や報道、研究など公正な目的なら一定の範囲の利用を侵害としない考え方がフェアユースで、米国の著作権法で知られています。
この分野で出た問題
- 平成29年度 秋期 問25シュリンクラップ契約において,ソフトウェアの使用許諾契約が成立するのはどの時点か。
- 平成27年度 秋期 問25シュリンクラップ契約において,ソフトウェアの使用許諾契約が成立するのはどの時点か。
- 平成30年度 秋期 問25フェアユースの説明はどれか。
- 令和5年度 春期 問25ユーザーから請け負うソフトウェア開発を下請事業者に委託し,下請代金支払遅延等防止法の適用を受ける場合に禁止されている行為はどれか。
- 令和3年度 春期 問25企業の Web サイトに接続して Web ページを改ざんし,システムの使用目的に反する動作をさせて業務を妨害する行為を処罰する際に適用する法律はどれか。
- 平成26年度 秋期 問25刑法の電子計算機使用詐欺罪が適用される違法行為はどれか。
- 令和元年度 秋期 問25労働基準法で定める制度のうち,36 協定が根拠としている制度はどれか。
- 令和7年度 春期 問25労働基準法で定める制度のうち,いわゆる36協定と呼ばれる労使協定に関する制度はどれか。
- 平成21年度 秋期 問25労働者派遣法に適合するものはどれか。
- 平成25年度 秋期 問25派遣労働者の受入れに関する記述のうち,派遣先責任者の役割,立場として,適切なものはどれか。
- 平成24年度 秋期 問25申込みの撤回又は契約の解除に応じない旨の取引条件を告知していた販売業者からPCを購入した場合に,法令で定めた期間内であれば特定商取引法に基づく契約の解除が可能な取引はどれか。
- 平成28年度 秋期 問25紙型,ICカード型又はサーバ型の前払式支払手段(プリペイドカード,電子マネーなど)の発行者に対し,その発行業務に係る情報の漏えい,滅失又は毀損の防止措置を求める法律はどれか。
- 平成22年度 秋期 問25製造業者の責任に関して,製造物責任法(PL法)に定められているものはどれか。
- 平成23年度 秋期 問25請負契約を締結していても,労働者派遣とみなされる受託者の行為はどれか。
正解と解説は、答え合わせのあとに出ます。
年度から解く
この分野の問題は 14年度ぶんの試験から出ています。いちばん新しいのは令和7年度 春期です。年度別に解くと、回ごとにまとめて解けます。