令和4年度 春期 午前Ⅱ 問6
経営戦略手法
ダイナミックケイパビリティの問題
D. J. ティースが提唱したダイナミック・ケイパビリティの説明として,適切なものはどれか。
- ア環境の変化がない状況のもと,経営資源を効率的に活用し,既存の業務システムを用いて利益を最大化する能力
- イ環境の変化を感知し,機会を捉え,組織内外の資源を再編成することによって,変革を行い,持続的競争優位を確立する能力
- ウ既存の競争枠組みの中でフォロワの地位を長期的に維持するために,リーダの戦略や製品の特徴・価格を模倣する能力
- エ専門分化した大規模な組織において,上意下達の指揮命令の下,各自が担当する業務を所定の規則に従って遂行する能力
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✓ これが正解イ環境の変化を感知し,機会を捉え,組織内外の資源を再編成することによって,変革を行い,持続的競争優位を確立する能力
解説
環境変化を感知し、資源を再編成して変革を行う能力のことです。
ダイナミックケイパビリティは、D. J. ティースが提唱した考え方で、変化する環境に合わせて企業が自らを変えていく能力を指します。見分ける軸は、環境の変化を前提にしているかどうかと、資源を組み替えて変革する点が含まれているかどうかです。正解の記述は、環境の変化を感知し、機会を捉え、組織内外の資源を再編成して変革を行い、持続的競争優位を確立するとしており、この二つの軸をどちらも満たしています。今ある資源をうまく使い続ける力ではなく、資源の組合せそのものを変える力である点が要です。感知する、捉える、変革する、という三つの動きの流れで覚えておくと、変化を前提にしない記述を外しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア環境の変化がない状況のもと,経営資源を効…:環境の変化がない状況を前提に、既存の業務システムで利益を最大化する能力としています。変化に対応して資源を組み替えるという中心の要素が抜けており、現状の資源を効率よく使う力の説明になっています。
- ウ既存の競争枠組みの中でフォロワの地位を長…:既存の競争の枠組みの中で、リーダの戦略や製品を模倣してフォロワの地位を保つ能力としています。競争上の地位に応じた戦略の話であり、環境変化に合わせて自らを変革する能力とは別物です。
- エ専門分化した大規模な組織において,上意下…:上意下達の指揮命令の下で、所定の規則どおりに業務を遂行する能力としています。規則で動く大きな組織の運営の説明であり、変化を感知して資源を再編成するという要素がありません。
この問題の用語
- 組織目的を果たすために、人が役割を分けて集まったまとまりのことです。分け方には機能別、事業部制、マトリックスなどの形があります。
- 指揮命令働く人に仕事の内容や進め方を直接指示する関係のことです。派遣では派遣先が行いますが、請負では発注者ではなく受注した側が行います。
出典:令和4年度 春期 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問6
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