令和5年度 秋期 午前Ⅱ 問8
プロジェクトの時間
クリティカルチェーン法の問題
プロジェクトのスケジュール管理で使用する“クリティカルチェーン法”の実施例はどれか。
- ア限りある資源とプロジェクトの不確実性とに対応するために,合流バッファとプロジェクトバッファとを設ける。
- イクリティカルパス上の作業に,生産性を向上させるための開発ツールを導入する。
- ウクリティカルパス上の作業に,要員を追加投入する。
- エクリティカルパス上の先行作業の全てが終了する前に後続作業に着手し,一部を並行して実施する。
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✓ これが正解ア限りある資源とプロジェクトの不確実性とに対応するために,合流バッファとプロジェクトバッファとを設ける。
解説
合流バッファとプロジェクトバッファを設けるのがクリティカルチェーン法です。
クリティカルチェーン法は、作業の依存関係に加えて資源の制約も考えて最長の経路を求め、各作業の見積りから余裕を取り除き、まとめたバッファで不確実性を吸収するスケジュールの手法です。プロジェクトの最後に置くのがプロジェクトバッファ、クリティカルチェーンに合流する経路の終わりに置くのが合流バッファです。限りある資源とプロジェクトの不確実性に対応するために二つのバッファを設けるという記述は、この考え方そのものです。ほかの選択肢は、クリティカルパス上の作業を速めたり重ねたりして期間を縮める工夫で、どれもバッファを使いません。バッファという語が出てくるかどうかを手掛かりにすると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イクリティカルパス上の作業に,生産性を向上…:開発ツールで生産性を上げるのは、作業そのものを速くする一般的な改善策です。資源の制約を考えた経路の決め方やバッファの配置といった、クリティカルチェーン法を特徴付ける要素が含まれていません。
- ウクリティカルパス上の作業に,要員を追加投…:クリティカルパス上の作業に要員を追加して期間を縮めるのは、クラッシングと呼ばれる短縮の技法です。コストを掛けて期間を短くする手段で、バッファで不確実性を吸収する考え方とは別物です。
- エクリティカルパス上の先行作業の全てが終了…:先行作業が終わる前に後続作業を始めて一部を並行させるのは、ファストトラッキングと呼ばれる短縮の技法です。手戻りのリスクと引き換えに期間を縮めるもので、クリティカルチェーン法の実施例ではありません。
この問題の用語
- プロジェクトある目的のために期間を決めて行う、一回限りの活動。決算処理のように同じ手順を繰り返す定常業務とは区別されます。
- スケジュール作業の順序と日程を決めた計画のことをいいます。作業の前後関係から日程を組み立てるには、PERTが向いています。
- クリティカルパス全体の日数を決めている、余裕のない作業のつながりのことです。ここが遅れると全体が遅れるので、重点的に管理します。
- 作業工程を組み立てる、一つひとつの仕事の単位のことです。開始と終了、所要日数をもち、順序をつないで全体の日程を作ります。
出典:令和5年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問8
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問8:クラッシングに関する問題(クリティカルパス)
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問7:ファストトラッキングに関する問題(クリティカルパス)
- 令和6年度 秋期 午前Ⅱ 問5:アローダイアグラムに関する問題(クリティカルパス)
- 令和4年度 秋期 午前Ⅱ 問9:アローダイアグラムに関する問題(クリティカルパス)
- 令和4年度 秋期 午前Ⅱ 問8:WBSを作成する目的(クリティカルパス)
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