サービスマネジメント
この単元には 19問あります。くり返し出ているものから並べています。
約束した水準でサービスを提供し続けるための仕組み
ITサービスマネジメントは、利用者に届けるITサービスを、合意した水準で提供し続けるための仕組みです。その計画・運用・管理の全体をサービスマネジメントシステムといい、計画し実行し評価して、分かったことを是正と改善につなげる流れで回します。
提供者と顧客が、サービスの内容と達成すべき水準を取り決めた文書がSLAで、そこに書かれた一つ一つの水準がサービスレベル目標です。合意した水準を維持し高めていく活動がサービスレベル管理です。同じ取決めでも、相手が自分と同じ組織の内部グループであればOLAと呼び分けます。誰と誰の約束なのかで分けて捉えると混同しません。
可用性は数字で約束します。稼働率は、合意したサービス提供時間を分母に取り、そのうち実際に使えた時間が占める割合として求めます。提供時間の外で行うと決めた計画停止は、この計算には入りません。
運用中の事象への向き合い方は、目的で三つに分かれます。サービスの計画外の中断、品質の低下、顧客へまだ影響していない事象までがインシデントで、まず元の状態へ戻すのがインシデント管理です。裏にある根本原因を突き止めて再発をなくすのが問題管理、変更を計画的に行って新たな障害を招かないようにするのが変更管理です。
利用者からの問合せや障害の連絡を受ける窓口がサービスデスクで、自分たちで解決できないものを専門性の高い担当へ引き上げるのが段階的取扱い、いわゆるエスカレーションです。窓口の置き方には、利用者のそばに置いて土地の言葉や事情に合わせやすいローカルの形、一か所にまとめる形、離れた要員を一つの窓口のように見せる形があります。
運用の現場では、人のうっかりが障害の引き金になります。注意力に頼らず、間違えにくい形を仕組みや道具の側にあらかじめ作っておくのがエラープルーフ化、いわゆるフールプルーフです。データを守る備えでは、全部を写すフルバックアップと変更分だけを取る差分バックアップを組み合わせ、取得の間隔が戻せる時点を決めることに注意します。
この単元で出た問題
- あるデータセンタでは,受発注管理システムの運用サービスを提供している。次の受発注管理システムの運用中の事象において,インシデントに該当するものはどれか。〔受発注管理システムの運用中の事象〕夜間バッチ処理において,注文トランザクションデータから注文書を出力するプログラムが異常終了した。異常終了を検知した運用担当者から連絡を受けた保守担当者は,緊急出社してサービスを回復し,後日,異常終了の原因となったプログラムの誤りを修正した。3回出題
- ヒューマンエラーに起因する障害を発生しにくくする方法に,エラープルーフ化がある。運用作業におけるエラープルーフ化の例として,最も適切なものはどれか。2回出題
- ITサービスマネジメントにおいて,SMS(サービスマネジメントシステム)の効果的な計画立案,運用及び管理を確実にするために,SLAやサービスカタログを文書化し,維持しなければならないのは誰か。
- ITサービスマネジメントにおいて,“サービスに対する計画外の中断”,“サービスの品質の低下”,又は“顧客へのサービスにまだ影響していない事象”を何というか。
- ITサービスマネジメントにおいて,一次サポートグループが二次サポートグループにインシデントの解決を依頼することを何というか。ここで,一次サポートグループは,インシデントの初期症状のデータを収集し,利用者との継続的なコミュニケーションのための,コミュニケーションの役割を果たすグループであり,二次サポートグループは,専門的技能及び経験をもつグループである。
- ITサービスマネジメントにおける問題管理プロセスの目的はどれか。
- ITサービスマネジメントにおける運用レベル合意書(OLA)の説明はどれか。
- SLAに記載する内容として,適切なものはどれか。
- サービスデスク組織の構造とその特徴のうち,ローカルサービスデスクのものはどれか。
- サービスマネジメントにおける,サービスレベル目標の説明はどれか。
- サービスマネジメントシステムにPDCA方法論を適用するとき,Actに該当するものはどれか。
- サービス提供者と顧客との間で,新サービスの可用性に関するサービスレベルの目標を定めたい。次に示すサービスの条件で合意するとき,このサービスの稼働率の目標値はどれか。ここで,1週間のうち5日間を営業日とし,保守のための計画停止はサービス提供時間帯には行わないものとする。
- サービス満足度の目標値を“サービス満足度に関する調査アンケートの満足度の平均点が5点満点中4.0点”と設定したサービスがある。調査アンケートの集計結果が表のとおりであるとき,目標達成率は幾らか。ここで,目標達成率は次式で計算するものとする。目標達成率 = 満足度の平均点 ÷ 満足度の目標値〔集計結果〕
- システム運用におけるデータの取扱いに関する記述のうち,最も適切なものはどれか。
- メールサーバのディスクに障害が発生して多数の電子メールが消失した。消失した電子メールの復旧を試みたが,2週間ごとに行っている磁気テープへのフルバックアップしかなかったので,最後のフルバックアップ以降1週間分の電子メールが回復できなかった。そこで,今後は前日の状態までには復旧できるようにしたい。対応策として,適切なものはどれか。
- 合意されたサービス提供時間が7:00~19:00であるシステムにおいて,ある日の16:00にシステム障害が発生し,サービスが停止した。修理は21:00まで掛かり,当日中にサービスは再開できなかった。当日のサービスは予定どおり7:00から開始され,サービス提供の時間帯にサービスの計画停止は行っていない。この日の可用性は何%か。ここで,可用性は小数点以下を切り捨てるものとする。
正解と解説は演習画面で、解答したあとに表示されます。
年度から解く
この単元の問題は 11年度ぶんの試験から出ています。いちばん新しいのは令和8年度です。年度から選ぶと、回ごとにまとめて解けます。