プロジェクトのリスク|プロジェクトマネージャ試験
この分野には 31問あります。くり返し出ているものから並べています。
この分野でくり返し出ている用語はリスク対応(15問)・リスクマネジメント(11問)・リスク分析(7問)・脅威(6問)・ステークホルダ(3問)です。問題が多い回は平成30年度 春期(4問)・平成28年度 春期(4問)・平成23年度 特別(3問)です。
洗い出し、順位を付け、期待値で比べて手を打つ
リスクは、起きるかどうか分からない事象で、プロジェクトの目標にマイナスの影響を及ぼす脅威と、プラスの影響を及ぼす好機の両方を含みます。扱い方は、洗い出す、評価して順位を付ける、手を打つ、見張る、という順に整理できます。JIS Q 21500:2018では、リスクの特定とリスクの評価は計画のプロセス群に、リスクへの対応は実行、リスクの管理は管理のプロセス群に属します。
洗い出しの技法では、デルファイ法が要になります。互いに関係のない専門家などに個別にアンケートを行い、結果を要約して返し、それを踏まえて再びアンケートすることを繰り返して意見を収束させます。顔を合わせないので、立場の強い人の意見に引きずられにくいのが特徴です。
分析は、定性的と定量的の二段で区別します。定性的リスク分析は発生確率と影響度を高・中・低などの段階で評価して優先順位を付ける段階で、発生確率・影響度マトリックスを使い、結果をリスク登録簿に反映します。定量的リスク分析は影響を数値で見積もる段階で、感度分析の結果を影響の幅の大きい順に横棒で並べた図をトルネード図と呼びます。
EMV(期待金額価値)は、影響金額に発生確率を掛けた期待値です。デシジョンツリーでは、機会ノードの枝ごとに確率と金額を掛けて足し合わせ、投資額や費用を差し引いてから案どうしを比べます。比べる値が未知数を含むときは、不等式を立てて境目を求めます。
対応戦略は、脅威向けと好機向けで組になっています。脅威には回避、転嫁、軽減、好機には活用、共有、強化があり、受容はどちらにも使えます。強化は好機の発生確率やプラスの影響を高める戦略です。発生確率が高いものには起きる前に防ぐ予防対策、影響が大きいものには起きたときに被害を抑える発生時対策を当て、どちらも小さいものは受容します。
この分野で出た問題
- 平成30年度 春期 問10PMBOKガイド 第5版のプロジェクト・リスク・マネジメントにおけるリスク対応戦略に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- 令和2年度 10月 問10プロジェクトにどのツールを導入するかを,EMV(期待金額価値)を用いて検討する。デシジョンツリーが次の図のとき,ツール A を導入する EMV がツール B を導入する EMV を上回るのは,X が幾らよりも大きい場合か。
- 令和7年度 秋期 問10JIS Q 21500:2018(プロジェクトマネジメントの手引)によれば,プロセス“リスクの特定”及びプロセス“リスクの評価”は,どのプロセス群に属するか。
- 平成27年度 春期 問12PMBOKのリスクマネジメントでは,定性的リスク分析でリスク対応計画の優先順位を設定し,定量的リスク分析で数値によるリスクの等級付けを行う。定性的リスク分析で使用されるものはどれか。
- 令和3年度 秋期 問11どのリスクがプロジェクトに対して最も影響が大きいかを判断するのに役立つ定量的リスク分析とモデル化の技法として,感度分析がある。感度分析の結果を示した次の図を何と呼ぶか。
- 令和5年度 秋期 問11リスクマネジメントに使用する EMV(期待金額価値)の算出に用いる式はどれか。
- 令和6年度 秋期 問11JIS Q 21500:2018(プロジェクトマネジメントの手引)によれば,対象群“リスク”の活動内容のうち,プロセス“リスクへの対応”で実施するものはどれか。
- 平成31年度 春期 問5JIS Q 21500:2018(プロジェクトマネジメントの手引)によれば,対象群“リスク”の活動内容のうち,プロセス“リスクへの対応”で実施するものはどれか。
- 令和2年度 10月 問11PMBOK ガイド 第 6 版によれば,リスクにはプロジェクト目標にマイナスの影響を及ぼす“脅威”と,プラスの影響を及ぼす“好機”がある。リスクに対応する戦略のうち,“好機”に対する戦略である“強化”に該当するものはどれか。
- 平成28年度 春期 問14PMBOKによれば,プロジェクトリスクマネジメントにおける定性的リスク分析で実施することのうち,適切なものはどれか。
- 平成30年度 春期 問11PMBOKガイド 第5版によれば,プロジェクト・リスク・マネジメントでは,定性的リスク分析でリスクの優先順位を査定し,定量的リスク分析でリスクがプロジェクト目標全体に与える影響を数量的に分析する。定性的リスク分析で使用されるものはどれか。
- 平成30年度 春期 問12システム開発のプロジェクトにおいて,リスク識別を効率よく行うための手段として,“JIS X 25010:2013(システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)-システム及びソフトウェア品質モデル)”が規定する利用時の品質特性を用いてソフトウェアの品質に関するリスクを分類することにした。“満足性”に対するリスクとして分類される,リスクとその評価の事例はどれか。
- 平成23年度 特別 問13デルファイ法を利用して,プロジェクトのリスクを抽出しているものはどれか。
- 平成21年度 春期 問9デルファイ法を利用して,プロジェクトのリスクを抽出しているものはどれか。
- 平成28年度 春期 問13プロジェクトのリスクを,デルファイ法を利用して抽出しているものはどれか。
- 平成21年度 春期 問10プロジェクト遂行上のリスク事象を抽出,識別し,事象の発生確率とプロジェクトへの影響度から分類したリスク対応計画を立案する。リスク対策の考え方をまとめた表として,最も適切なものはどれか。ここで,“予防対策”は“当該リスク事象の発生を未然に防ぐ”ための対策を意味し,“発生時対策”は“当該リスク事象が実際に発生したとき”の対策を意味し,“受容”は“当該リスクへの対策をとらない”ことを意味する。
- 平成23年度 特別 問12リスクマネジメントにおけるEMV(期待金額価値)の算出式はどれか。
- 平成21年度 春期 問8リスクマネジメントにおけるEMV(期待金額価値)の算出方法はどれか。
- 令和4年度 秋期 問12工場の生産能力を増強する方法として,新規システムを開発する案と既存システムを改修する案とを検討している。次の条件で,期待金額価値の高い案を採用するとき,採用すべき案と期待金額価値との組合せのうち,適切なものはどれか。ここで,期待金額価値は,収入と投資額との差で求める。
正解と解説は、答え合わせのあとに出ます。
年度から解く
この分野の問題は 16年度ぶんの試験から出ています。いちばん新しいのは令和7年度 秋期です。年度別に解くと、回ごとにまとめて解けます。